F1:通常とは異なる意味合いの「グランプリ契約延長」イタリア、ベルギー、ハンガリー相次いで
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イタリアのモンツァ、ベルギーのスパ・フランコルシャン、そしてハンガリーのハンガロリンクの各オーガナイザーがこの程、グランプリ開催契約を各々1年延長することでF1側と合意に至ったと発表した。これは通常の契約延長とは意味合いが異なるようだ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるカレンダー凍結の最中にあって各々のオーガナイザーは、F1の商業権を持つリバティ・メディアと協議を行い、ハンガロリンクは2027年まで、モンツァは2025年まで、そしてスパ・フランコルシャンは2022年まで、それぞれ1年の契約延長を発表した。
いずれの開催地も今月頭に発表されたヨーロッパでの8戦から構成される2020年シーズンの改訂版F1カレンダーに含まれているが、無観客での開催が見込まれている事からチケット販売による収益は期待できず、金銭面を含めてF1側からの何らかの譲歩なしに開催のメリットはない。
ハンガロリンク・スポーツのジョルト・ジュライ最高経営責任者(CEO)は契約更新に際して、詳細な数字への言及は避けたものの、開催権料ならびに開催権料の年増額分が減額された事を明らかにした。またスパ・フランコルシャンのヴァネッサ・メースCEOは契約の延長について「既存契約では今シーズン開催予定の無観客レースに対応できなかったため」と説明した。
今シーズンのイベントに関しては今回締結の新しい契約下で行い、従来の契約の下で本来今年開催されるはずであったイベントを来季にスライドする ーー つまり、契約の延長と言うよりは(今季用の)新たな契約の締結と言った方が実態に即していると言えそうだ。
改定スケジュールにはこの他にイギリスのシルバーストン・サーキット、スペインのカタロニア・サーキット、そしてオーストリアのレッドブル・リンクが含まれているが、こちらに関しては契約延長の発表はなく、別の何かの形での譲歩を引き出しているものと見られる。