無線不通のフェルスタッペン、僅差で交わし2連勝!角田裕毅の終盤クラッシュで展開一変 / F1カナダGP《決勝》結果とダイジェスト
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2022シーズンFIA-F1世界選手権第9戦カナダGP決勝レースがモントリオール現地6月19日に行われ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが後続に0.993秒差でポール・トゥ・ウインを果たし、前戦アゼルバイジャンに続く2連勝を飾った。
角田裕毅(アルファタウリ)がピットアウトの際にクラッシュした事で、70周のレースは終盤に展開が一変。ギャップがリセットされフェルスタッペンはカルロス・サインツ(フェラーリ)にDRS圏内を許す事となったが、ラスト16周に渡るその執拗な攻撃を交わし切り、キャリア通算150戦の節目を勝利で締め括った。
フェルスタッペンの僚友セルジオ・ペレスはメカニカルトラブルに見舞われリタイヤに終わった。チーム代表のクリスチャン・ホーナーはギアボックストラブルが疑われると説明した。
レッドブルは第4戦エミリア・ロマーニャからの連勝を6回に伸ばした。英国ミルトンキーンズのチームにとっては2013年にセバスチャン・ベッテルが9連勝を挙げて以来、チーム史上2番目の連勝記録となった。
フェルスタッペンは無線にトラブルを抱えていたようで、自らの意思をピットウォールに伝える事ができていなかった。ホーナーは「一方通行だったんだ。彼にはこちら側の声が聞こえていたけど、こっちは彼の声が聞こえない状態だった。まぁ向こうにしてみれば、僕らに聞かなきゃならない事はあまり多くなかったと思うけど」と説明した。
優勝を懸けての一騎打ちを繰り広げた両者の後方、3位表彰台にはルイス・ハミルトンが滑り込んだ。開幕バーレーンGP以来のポディウムとなった。4位にはジョージ・ラッセルが続き、メルセデスが嬉しい3-4フィニッシュを果たした。
パワーユニット交換によって最後方19番グリッドからスタートしたシャルル・ルクレールは5位フィニッシュと、ダメージを最小限に抑えた。
2012年以来、10年ぶりの最前列に着いたフェルナンド・アロンソはピットストップの機を逃し、更にエンジントラブルを抱えた事で7位と後退した。更にレース後、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)に対する進路変更によって5秒ペナルティが科されて最終9位に降格となった。チームメイトのエステバン・オコンは6位でフィニッシュ。アルピーヌはダブル入賞を果たした。
アルファロメオ勢はボッタスが8位フィニッシュの7位、周冠宇は9位フィニッシュの8位と、各々繰り上がり、2台揃ってポイントを獲得した。最後の入賞枠、10位には地元出身のランス・ストロール(アストンマーチン)が入った。
ストロールが母国レースを入賞で飾った一方、オスカー・ピアストリとの交代が濃厚とみられるウィリアムズのニコラス・ラティフィは、地元観衆の期待に応える事ができず16位でフィニッシュした。
アルファタウリ勢はパワーユニット交換で最後尾20番グリッドからスタートした角田裕毅がクラッシュによりリタイヤを喫し、フロントブレーキのトラブルによるQ1敗退を経て、繰り上がりの後方15番グリッドに着いたピエール・ガスリーは14位と、巻き返し叶わず共にノーポイントに終わった。角田裕毅は自身のミスをチームに謝罪した。
3列目を独占したハース勢は期待とは裏腹にノーポイントに終わった。5番グリッドのケビン・マグヌッセンは1周目のターン3でハミルトンと接触。フロントウィングの右翼端板が破損したためにオレンジボールフラッグが振られ、完走17台中最下位に終わった。
ミック・シューマッハは初入賞に向けて得点圏内を走行していたものの、パワーユニットのトラブルに見舞われ20周目のターン8でクルマを停めた。
レース概要
決勝は日本時間19日(日)27時にブラックアウトを迎え、1周4,361mのコースを70周する事で争われた。
前日とは打って変わって現地モントリオールは晴天に恵まれ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温20℃、路面41.4℃、湿度30%、気圧1012.5hPaのドライコンディションで開始された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入。終盤にセーフティーカーが導入された事で2ストッパーが主流となった。
トップ10を含む15台はミディアムタイヤを、13番グリッドのペレス、19番グリッドのルクレールを含めた5台はハードコンパウンドをスタートタイヤに選択した。
注目のオープニングラップではフェルスタッペンとアロンソがトップ2を死守。ペレスは2つポジションを上げて11番手に、ルクレールと角田裕毅はラティフィを交わしてそれぞれポジションを1つ上げた。
ボッタスは最終シケインでランオフに飛び出し復帰の際にボラードを破損。レースコントロールは黒白旗を振った。
サインツは4周目にアロンソを抜いて2番手に浮上。後方のガスリーとベッテルは5周目という早い段階でハードタイヤに交換するも、直後の8周目にペレスがエスケープゾーンにクルマを停めたため、バーチャル・セーフティーカー(VSC)の好機を逃す格好となった。
ラップをリードをリードするフェルスタッペンをはじめ、ハミルトン、角田裕毅、ラディフィの4台がピットストップを行いハードタイヤに履き替えた。
VIRTUAL SAFETY CAR (LAP 9/70)
Perez pulls off to the side with a suspected gearbox issue, and is our first retirement of the afternoon#CanadianGP #F1 pic.twitter.com/UO6EAhGfNq
— Formula 1 (@F1) June 19, 2022
2度目のVSCはシューマッハがトラブルに見舞われた20周目だった。ここで第1スティントを引っ張っていた各車が続々ピットストップに動いたがアロンソはステイアウト。4番手を走行していた29周目にアンダーグリーンでピットインしたために7番手にまで後退した。
VIRTUAL SAFETY CAR (LAP 20/70)
Schumacher pulls over in the same spot as Perez and is our second retirement 💔
Sainz, Russell, Ocon, Zhou, Ricciardo and Norris all pit under the VSC#CanadianGP #F1 pic.twitter.com/4aFDerah8U
— Formula 1 (@F1) June 19, 2022
ミッドフィールドにはストロールを先頭とするDRSトレインが発生。角田裕毅はこれに阻まれ、ポジションを上げられないもどかしい展開が続いた。
後方からの挽回を図るルクレールはオコンを追い抜きあぐねて42周目にピットイン。ミディアムタイヤに履き替えるも、交換作業でタイムロスがあり、中団のDRSトレインの後方、12番手でコースに復帰した。手痛いミスだった。
ジル・ビルヌーブは路面がスムーズである割にはデグラデーションが大きい。ラップリーダーのフェルスタッペンはタイヤに苦しみ、44周目に2回目のピットストップを行って再びハードタイヤに履き替えた。これに続いてメルセデスの2台も相次いで追加のストップを消化した。
角田裕毅はストロール共々49周目にピットイン。ハードタイヤに履き替えコースに戻ろうとピット出口に向かったものの、レーンを回り切れずにターン2脇のバリアに左フロントから突っ込んだ。
これによりセーフティーカーが導入され、ステイアウトしていたサインツがアドバンテージを得てピットイン。アルピーヌ勢とアルファロメオ勢もダブルストップを敢行した。
レースは残り16周でリスタートを迎えた。DRSが解禁されるとサインツがフェルスタッペンを強襲。毎周に渡って攻撃を仕掛けたがサイド・バイ・サイドにまで持ち込む事はできず、初優勝はまたもお預けとなった。
2022年F1第9戦カナダGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 70 | 1:36:21.757 | 25 |
2 | 55 | サインツ | フェラーリ | 70 | +0.993s | 19 |
3 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 70 | +7.006s | 15 |
4 | 63 | ラッセル | メルセデス | 70 | +12.313s | 12 |
5 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 70 | +15.168s | 10 |
6 | 31 | オコン | アルピーヌ | 70 | +23.890s | 8 |
7 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 70 | +25.247s | 6 |
8 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 70 | +26.952s | 4 |
9 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 70 | +29.945s | 2 |
10 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 70 | +38.222s | 1 |
11 | 3 | リカルド | マクラーレン | 70 | +43.047s | 0 |
12 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 70 | +44.245s | 0 |
13 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 70 | +44.893s | 0 |
14 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 70 | +45.183s | 0 |
15 | 4 | ノリス | マクラーレン | 70 | +52.145s | 0 |
16 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 70 | +59.978s | 0 |
17 | 20 | マグヌッセン | ハース | 70 | +68.180s | 0 |
NC | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 47 | DNF | 0 |
NC | 47 | シューマッハ | ハース | 18 | DNF | 0 |
NC | 11 | ペレス | レッドブル | 7 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 20℃ |
路面温度 | 41.4℃ |
周回数 | 70 |
セッション概要
グランプリ名 | F1カナダGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ジル・ビルヌーブ・サーキット |
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設立 | 1978年 |
全長 | 4361m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |