FIAの判断は過剰、とマグヌッセン「ウイングにかすり傷を負っただけ」でオレンジボール
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ハースのケビン・マグヌッセンはオレンジボール・フラッグによって余計なピットストップを強いられたF1第9戦カナダGPを終え、フロントウイングには「かすり傷」しかついていなかったとして、レースディレクターの判断は過剰だと主張した。
5番グリッドのマグヌッセンはジル・ビルヌーブ・サーキットでの1周目にルイス・ハミルトン(メルセデス)とサイド・バイ・サイドとなり軽く接触。フロントウイングの右翼端板を破損した。
マグヌッセンの後方にいたエステバン・オコン(アルピーヌ)は無線を通し、デブリが飛んでヘルメットに当たったら危険だと訴えた。その数周後、レースディレクターのエドゥアルド・フレイタスはオレンジボール・フラッグを提示。予期せぬピットストップを強いられたマグヌッセンは完走17台中最下位でレースを終えた。
オコンが危険性を煽ったのは明らかに意図的で、FIAに公開されている無線を利用して自らに有利な状況を作り出そうとする行為はごく一般的だ。マグヌッセン自身、ルールに抵触しない以上、オコンの無線は「フェアプレーだった」と認めている。
Magnussen is carrying damage to his front wing after an opening lap skirmish with Hamilton#CanadianGP #F1 pic.twitter.com/NiY6FutxcB
— Formula 1 (@F1) June 19, 2022
ウイングの破損の程度についてマグヌッセンは「ちょっと接触しただけで、大した事はなかった。フロントウイングに少しかすり傷がついただけなのに、ピットインするように言われたんだ」と説明した。
「クルマには問題なく、僕はついていけていたし、フロントウイングも無事で折れてもいなかった」
マグヌッセンはマイケル・マシ体制下で行われた昨年のサウジアラビアGPに触れて、この程度の損傷でオレンジボールを振るのは止めてほしいと訴え、レースディレクターの判断は過剰だったとの考えを示した。
「昨年のジェッダではルイス・ハミルトンがフロントウイングを半分失いながらも優勝したけど、あれは正しかったと思う。続行できる状態ならレースをさせてほしい」
ニールス・ヴィティヒとフレイタスによるレースディレクター新体制以来、良きにつけ悪しきにつけ、レース審判基準は明らかに変化した。
オレンジボールが昨年以前のF1で最後に出された時期は定かでないが、バクーでは角田裕毅がリアウイングの破損を理由にオレンジボールの対象となった。今回のカナダでの件を含めて2戦連続で強制ピットストップが指示された事になる。
またモナコでは大した雨脚でなかったにも関わらず、全車にエクストリームウェットを履かせるためにレース開始が延期される事となった。結果的に開始が16分遅れた事で雨脚が強まり、開始直後に赤旗中断を余儀なくされた。