トロロッソ、一発のタイムに手応え得るも「燃料を積んだ状態でのペース改善が必要」

インテルラゴス・サーキットのトロロッソ・ホンダのガレージ、F1ブラジルGP 2018年11月9日Courtesy Of Red Bull Content Pool

スクーデリア・トロロッソのチーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズが、9日(金)に行われたF1第20戦ブラジルGP初日セッションを振り返り、ガレージ内の様子と実施した走行プログラムの詳細、そして2日目以降に向けての展望を語った。

トロロッソは、第19戦アメリカGPで新型フロントウイングと改良版フロアを含む新しいエアロダイナミクスを投入。1セットしか揃える事が出来ず、まずはピエール・ガスリーがこれをテストした。翌メキシコGPでも同じパッケージを用いて今度はブレンドン・ハートレーがテストを担当。今回ようやく2セットが揃い、両方のマシンがこれを手にした。

パッケージへの理解と性能の引き出し方に関する知識が不十分であったため、午前のプラクティス1ではテストを実施。マシンバランスの改善に励んだ。そこで得た知見と情報をもとに、チームは午後の2回目のフリー走行に向けてセットアップを調整。二人のドライバーは共に午前の自己ベストを塗り替え、ガスリーは12番手、ハートレーは19番手でセッションを終えた。

エドルズは「非常に生産的な一日だった」と述べ満足感を示した一方で、ロングランのペース不足が課題だと語り、悪天候が予想される明日以降のセッションに向けて対策を施していく方針を示した。ホンダの現場責任者である田辺豊治TDもガスリーも、共に今日の結果に手応えを得ており、チーム内には前向きな雰囲気が形作られている。

燃料を積んだロングランペースが課題

ジョナサン・エドルズチーフレースエンジニア

今日はすべてがトラブルフリーで予定通りに進み、かなり生産的な1日を過ごすことができたよ。今回我々はここインテルラゴスで2台のクルマに新しい空力パッケージを投入した。今のところ上手く機能しており、ポジティブな徴候を得る事ができている。

FP1でのメインターゲットは、この新しいパッケージへの理解を深めるためにエアロ関連のテストを行う事にあった。ここは路面が凄く汚れているため、週末の出だしはグリップがかなり低い事が多いんだ。そのこともありFP1では2台ともがアンダーステアに苦しむ事になった。対処を試みたものの、セッション終了までに改善させる事はできなかった。

午前のプラクティスを踏まえて、空力に関する部分を最適化して午後のFP2に臨んだ。FP2ではショートランでのタイヤ比較を行った後、燃料を搭載してのロングランを実施する計画を立てていた。セッション序盤の赤旗の影響で最初のアタックが台無しになってしまったが、ヒュルケンベルグで無事で何よりだった。かなり酷いクラッシュだったからね。

FP2では上手くバランスを改善する事が出来たよ。燃料が軽い状態でのパフォーマンスは良さそうだ。でも、重い燃料でのペースは競争的とは言えなかったから、まずは原因を突き止めなきゃならない。予選ペースとレースペースのバランスをどう取るかが厄介なところだが、今夜は上手い妥協案を見つけられるように頑張るつもりだ。

今日は日曜日に予想されているよりも路面温度がかなり低かったから、今日得られたタイヤに関するデータの扱いには慎重になる必要がある。高い気温が見込まれる決勝でこれをどう活かすかが腕の見せ所だね。


初日をトップで締め括ったのはメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。2番手ルイス・ハミルトンを1000分の3秒という僅差で退けた。3番手には100分の7秒遅れでフェラーリのセバスチャン・ベッテルが続く結果となった。

F1ブラジルグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間11月10日(土)23時から24時まで、公式予選は同26時から1時間に渡ってインテルラゴス・サーキットで開催される。

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