レッドブルへの敗北を経て去るビノット「2位では不十分」と先達ドメニカリ

F1のステファノ・ドメニカリCEOとフェラーリのマッティア・ビノット代表、2021年9月5日F1オランダGP決勝レースにてCourtesy Of Ferrari S.p.A.

かつてフェラーリを率いた経験を持つF1のステファノ・ドメニカリCEOは、フェラーリにおける選手権2位は「不十分」であるとして、マッティア・ビノットがマラネロを去ったのはチャンピオンシップで敗れたためだとの考えを示した。

レッドブル及びマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのタイトル争いに敗北した2022年末を以てビノットは、3シーズンに渡ったチームプリンシパルの座を自ら退くと共に、28シーズンに渡って粉骨砕身してきたスクーデリアを去る決断を下した。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリ、2021年5月22日F1モナコGP

グランドエフェクトカー導入年となった今年、跳ね馬は開幕2連勝を挙げて一気にコンテンダーに名乗りを上げたものの、フランスGP以降の終盤11レースは一度も勝てず、コンストラクターズ選手権ではレッドブルに200点以上もの差をつけられ2位に終わった。

23年に渡ってフェラーリに籍を置き、2008~2014年までスクーデリアのチーム代表を務めた経験を持つドメニカリはビノットの離脱について「チームのダイナミズムに立ち入るつもりはない」としながらも「フェラーリで2位になっても不十分だ」とSky Sportsとのインタビューの中で述べた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とフェラーリのステファノ・ドメニカリ代表、2011年5月26日F1モナコGP

F1サンパウロGPを経てイタリア国内で更迭報道が相次いだ際、フェラーリはビノット続投を明言せずに「全く根拠がない」と半端な火消しに走り、それから2週間を待たずにビノットの離脱を発表した。

「何年も前に私も同じ状況、立場に置かれた。彼には気を散らさず自分自身を信じて欲しいと思う」とドメニカリは語る。ドメニカリがフェラーリのチーム代表を辞したのは2014年の開幕3戦を終えた段階の事だった。

「もちろん、その一方で2年前の状況から大きく挽回したフェラーリには今の競争力を維持していくための適切な解決策を見つけて欲しいと思っている」

「我々は競争力あるフェラーリを必要としている。他のチームと戦うためには力強く素晴らしいチーム、速いドライバーが必要だ」

ドライバーズ選手権としては2007年のキミ・ライコネン以降、コンストラクターズ選手権としては2008年以降、フェラーリはタイトルから遠ざかっている。

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