スペック3最新版エンジンの投入によって、ホンダF1と王者メルセデスとの馬力差は縮まったのだろうか?
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スペック3の投入によってルノー・スポールを上回ったとされるホンダ製F1パワーユニット。先頭をひた走る王者メルセデスとの性能差は縮まったのだろうか?
ホンダはお膝元鈴鹿サーキットに今シーズン型PUの最終形態”スペック3″を投入。内燃機関の燃焼効率を向上させた事で40馬力、1周あたりコンマ5秒の改善を果たしたとされる。独Auto Motor und Sportは当初、スペック3導入前の段階で35馬力アップを予想していたものの、ロシアGPのフリー走行を終えてプラス5馬力の40馬力に上方修正した。
AMSはF1日本グランプリを終えて、ホンダとメルセデスのパワーユニットの性能差を15馬力程度と推計。シーズン開始前の時点では大きな開きがあった両者だが、そのギャップは確実に縮まってきている。残る4戦はスペック3の使用を継続する見通しだが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを努めるヘルムート・マルコは、今季中にもう一度ホンダのアップデート計画がある事を仄めかす。
「来シーズンが開幕するまでに、もう一度大きなアップグレードが投入される事になるだろう。これによって我々レッドブルは幾つかのグランプリで勝利を賭けて戦えるようになるはずだ」
ホンダは来シーズン、競合レッドブルと提携し、”レッドブル・ホンダ”として全21戦を戦う事になる。来季RB15の開発には空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが関与しており、パッケージ全体として捉えれば埋めるべきは15馬力よりも小さいとも言える。ラップタイムに対する影響はパワーユニットよりも車体側の性能の方が大きい。
「多少のギャップが世界の終わりを意味することはない。我々はシャシー側でそれを補うことが出来る。我々の目標は来シーズン、タイトルを賭けて競うことだが、現実的に言えば簡単ではないだろう。だが、フロントウイングに関する新しいレギュレーションが状況を揺るがしてくれるかもしれない」
FIA国際自動車連盟とF1は、オーバーテイク及び接近したホイール・トゥ・ホイールのバトルを増やすべく、よりシンプルな形状の前後ウイングと簡素化されたフロントブレーキダクトの導入を決定。2019年レギュレーションはエアロダイナミクスが大きく変更される。