バーレーン政府系基金、マクラーレンの全株式取得…取引完了で完全支配下に
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マクラーレン・グループはF1第3戦オーストラリアGPの初日イベントが行われた2024年3月22日(金)、バーレーンの政府系ファンド、ムムタラカットがグループの全株式を取得したと発表した。
ムムタラカットは創業株主のロン・デニスとマンスール・オジェから30%の株式を購入する形で2007年に出資。グループがパンデミック下で経営難に見舞われると、多額の資本注入を繰り返し、出資比率を60%にまで高めていた。
ムムタラカットが全ての優先株を普通株に転換し、グループの完全所有権を手にした事を受けマクラーレンは「グループの継続的な変革の旅における大きなマイルストーン」として歓迎した。
マクラーレンは現在、電気自動車の開発を巡って外部企業との技術提携を検討していると見られており、吉利汽車が所有するスウェーデンのポールスターやヒュンダイ、BMWなどの名前が取り沙汰されている。提携に際して少数株を売却する計画があるとも伝えられている。
マクラーレン・グループのポール・ウォルシュ会長は、完全買収によって「業界パートナーとの技術提携の可能性を引き続き模索しながら、新製品や新技術への投資を含む長期的な事業計画の実現に注力できるようになる」と語った。
英国サリー州ウォーキングに本社を構えるマクラーレン・グループはスーパーカーを自社生産するマクラーレン・オートモーティブを傘下に持つ。
また、マクラーレンF1チームを所有するマクラーレン・レーシングの過半数株を保有しており、米インディカー・シリーズやFIAフォーミュラE世界選手権、エクストリームEにも参戦している。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響を受けマクラーレンは経営難に陥った。2020年には1,000人以上のリストラが行われ、パンデミック後の経済回復に伴ってはサプライチェーンの問題に見舞われた。