4度の赤旗、ポール争いは角田の事故で幕引き…フェルスタッペン最前列に届かず / F1アゼルバイジャンGP《予選》結果とダイジェスト

バクー市街地コースのターン1側から見たホームストレートとバックストレート、2021年6月5日F1アゼルバイジャンGPにてCourtesy Of Alpine Racing

2021 FIA-F1世界選手権6戦アゼルバイジャンGPの公式予選が6月5日に行われ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が1分41秒218を記録。前戦モナコに続く2戦連続でのポールポジションを獲得した。

3ラウンドで争われたバクー市街地コースでのグリッド争いでは、計4度の赤旗クラッシュが発生。最終Q3でのポールポジション争いもまた、アクシデントに妨げられ不完全燃焼に終わる形となった。

Q2で見事4番手タイムを刻みキャリア初のQ3進出を果たした角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がQ3最終盤にターン3の壁に突き刺さった事で、上位10台による最終アタックは全て断念を強いられた。

この結果、1回目のアタックで全体ファステストを残していたルクレールがポールを確保。2番手にルイス・ハミルトン(メルセデス)、3番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が続く結果となった。

フェルスタッペンは赤旗の知らせを受けるやいなや「こんな馬鹿げた予選があってたまるか…! 肝心のQ3がこんな事って…ああ、、どうでもいい!」と怒りを爆発させた。

フェルスタッペン、赤旗にご立腹

ホンダエンジン勢としては、アルファタウリのピエール・ガスリーがフェルスタッペンに1000分の2秒差の自己最高位に並ぶ4番手を獲得し、セルジオ・ペレスが7番手、角田裕毅が8番手と、全4台がQ3進出を果たす結果となった。

5番手は角田裕毅の事故に巻き込まれる格好となったカルロス・サインツ(フェラーリ)で、ランド・ノリス(マクラーレン)を0.171秒差で6番手に抑えた。フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は開幕戦以来のQ3進出を果たし、10番手にバルテリ・ボッタス(メルセデス)を従えた。

ただし、予選Q1の赤旗提示の際に直ぐにピットに入らなかったとして、スチュワードはセッション後にノリスに3グリッド降格ペナルティと3点のペナルティポイントを科す裁定を下した。これによりノリスは9番手に降格となり、ペレスが6番手、角田裕毅が7番手、そしてアロンソが8番手に昇格した。

午前のFP3に引き続き現地バクーは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温26.9℃、路面49.9℃、湿度44.8%のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドと、2019年の前回大会より一段柔らかい組み合わせを供給した。

予選Q1:相次ぐクラッシュで2度の赤旗

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、グリーンフラッグを待つためにピットレーンに大渋滞が発生した。バクーではエスケープに逃れるマシンが出るたびに黄旗が振られるため、誰もが早い段階での”滑り止めラップ”を狙う。

開始直後にはランス・ストロール(ランス・ストロール)がターン15でクラッシュを喫し、いきなり赤旗が振られる展開となった。10分間に渡るセッション中断は、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)に救いの手を差し伸べる事となった。

FP3でのウォーターポンプ漏れを経て、チームは2時間に満たない限られた時間内にラッセル車のパワーユニット交換を終える必要があったが、Q1が始まってなお、ガレージ内ではメカニックが慌ただしく作業に取り組んでいた。ただ、赤旗によって時計の針が止められた事で、ラッセルはセッション再開に合わせてコースへと向かった。

再度のグリーンフラッグを経て、10台がフィニッシュラインを通過した直後、今度はアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がターン15でクラッシュ。2度目のレッドフラッグが振られ、セッションは残り9分22秒で再び中断。10分間の中断を余儀なくされた。

なお赤旗提示後にピットに入るチャンスがあったにも関わらずコース上に留まったとして、スチュワードはセッション後にランド・ノリスを審議に掛ける事を発表した。

ノックアウト

  • ニコラス・ラティフィ
  • ミック・シューマッハ
  • ニキータ・マゼピン
  • ランス・ストロール
  • アントニオ・ジョビナッツィ

予選Q2:リカルド事故、3度目の赤旗

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、残り1分29秒というタイミングでダニエル・リカルド(マクラーレン)がターン3のバリアに突き刺さり、3度目の赤旗が振られる事となった。

計測断念を強いられた11番手に終わったセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は、1000分の29秒差でQ3進出を逃した事を無線で知らされると「おいおいおいおい!くそー!」とフラストレーションをあらわにした。

トップ通過はフェルスタッペン。ペレスとハミルトンがこれに続いた。上位3台のギャップは僅か1000分の9秒だった。角田裕毅は4番手タイムを刻み、キャリア初のQ3進出を果たした。

エステバン・オコンがターン2の出口で壁にキスして火花を散らせる場面があったが、こちらは幸いにも深刻なダメージはなかった。ただし僚友アロンソがQ3進出を果たした一方、オコンは12番手でノックアウトを喫した。

ノックアウト

  • セバスチャン・ベッテル
  • エステバン・オコン
  • ダニエル・リカルド
  • キミ・ライコネン
  • ジョージ・ラッセル

予選Q3:角田がクラッシュ

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3でも赤旗クラッシュが発生。ポールポジション争いは2戦連続で不完全燃焼に終わった。

アルファタウリ・ホンダ勢はシーケンスをズラしての計測を実施。他車が1回目の計測を終えた後にコースに向かい、角田裕毅に牽引されたガスリーがセクター1で全体ベストを記録して4番手タイムをマークした。

その後、2回目のアタックに向かったライバル勢がコースに合流。アウトラップを経て最終アタック合戦の狼煙が上がった直後、角田裕毅がターン3を曲がり切れず壁に突き刺さり、後方を走行していたサインツが多重事故を避けるべくエスケープに逃れようとしたものの、ブレーキングが間に合わずに壁と接触。セッションは赤旗終了を迎えた。

この結果、メルセデスのトウを得て1回目のアタックでファステストを刻んでいたルクレールが2連戦でのポールポジションを獲得した。

2021年 F1アゼルバイジャングランプリ決勝レースは、日本時間6月6日(日)21時にスタート。1周6003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:42.241 1:41.659 1:41.218 19
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:41.545 1:41.634 1:41.450 21
3 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:41.760 1:41.625 1:41.563 19
4 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:42.288 1:41.932 1:41.565 18
5 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:42.121 1:41.740 1:41.576 18
6 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:42.167 1:41.813 1:41.747 20
7 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:41.968 1:41.630 1:41.917 18
8 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:42.521 1:41.654 1:42.211 19
9 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:42.934 1:42.195 1:42.327 20
10 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:42.701 1:42.106 1:42.659 21
11 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:42.460 1:42.224 15
12 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:42.426 1:42.273 11
13 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:42.304 1:42.558 14
14 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 1:42.923 1:42.587 15
15 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:42.728 1:42.758 12
16 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:43.128 8
17 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:44.158 10
18 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:44.238 9
RT 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 2
RT 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 4

コンディション

天気晴れ
気温26.9℃
路面温度49.9℃

セッション概要

グランプリ名 F1アゼルバイジャンGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 バクー市街地コース
設立 2016年
全長 6003m
コーナー数 20
周回方向 時計回り

F1アゼルバイジャンGP特集

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