ボッタス、勝利目前でリタイヤ「胸が痛くてとても辛い…パンクのせいで全てを失った」
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約束されたかに思われた優勝の果実は、バルテリ・ボッタスではなくルイス・ハミルトンの元へとこぼれ落ちた。29日(日)の第4戦F1アゼルバイジャンGP決勝レースをリタイヤで終えたメルセデスのバルテリ・ボッタスは、完全に打ちひしがれていた。
3番グリッドのボッタスは、スーパーソフトタイヤの耐久性の利を活かし、第1スティントを引っ張ることでポールシッターのセバスチャン・ベッテル(Ferrari)をパス、31周目にラップリーダーへと躍り出た。
その後発生したレッドブル勢の同士討ちによるセーフティカーのタイミングでピットイン。先にタイヤ交換を済ませ2番手を走行していたベッテルの前でコースに戻り、首位をキープする事に成功。誰の目にも優勝は確実かと思われたが、バクーの女神はもう一つの波乱を解き放った。
レース周回残り4ラップでリスタート。オーバーテイクを狙いアグレッシブに攻めすぎたベッテルがオーバーラン。ボッタスは勝利への街道を突き進んだが、残り3周というところで右リアタイヤが突如バースト。コース上のデブリを踏みつけた事で無情にもリタイヤへと追い込まれた。
幸か不幸か、ボッタスがあまりにも無慈悲な結末を迎えた一方、その恩恵を受けたのはチームメイトのルイス・ハミルトンであった。ボッタスの脱落に伴い、ハミルトンはトップチェッカーを受け今季初優勝。ドライバーズランキングでも首位のベッテルを抜き去りトップへと躍り出た。
レースを終えたハミルトンは複雑な表情を浮かべ、チームメイトを気にかけた。「勝利に値するのはバルテリの方だ。彼はミスなく素晴らしい仕事をしていた」
胸が痛くてとても辛い…デブリのせいで全てが終わった
バルデリ・ボッタス決勝: リタイヤ, グリッド: 3位
完全に打ちのめされた気分だよ。胸が痛くてとても辛い。でもこれがレースってものなんだ。良い日もあれば悪い日だってある。そして時には最悪な日だって訪れる。ほんの小さなデブリのために、僕の週末の全てが台無しになってしまった。
パンクするまでのレースは良かったんだ。車の感触も良かったし僕らには速さがあった。あのリスタートの時までは完全にレースをコントロールできていたのに、突然タイヤがバーストしたんだ。
いつデブリを踏んだのか分からなかったし、何も見えなかった。バーストするまでは何も感じなかった。ここ数戦は本当に厳しい戦いが続いていたから、今日勝てた事はチームにとって良いことだよ。でも、僕としては本当に失望してる。
2018年F1アゼルバイジャンGP決勝レースは、メルセデスのルイス・ハミルトンが今季初勝利を手にし、チャンピオンシップでフェラーリのセバスチャン・ベッテルを交わしてトップに躍り出た。