トロロッソ、コンマ5秒のタイム改善に着手「もう少し上に行けるハズ」

バクー市街地コースを駆け抜けるトロロッソ・ホンダSTR13、2018年F1アゼルバイジャンGP初日copyright Red Bull Content Pool

F1アゼルバイジャンGP初日セッションを終え、スクーデリア・トロロッソの主任レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、スリップストリームを使えばより上のポジションが得られると主張、コンマ5秒のタイム改善に着手する事を誓った。

1回目のフリー走行ではピエール・ガスリーが9番手、ブレンドン・ハートレーが12番手と揃ってトップ10付近をキープするも、路面温度が大幅に低下したFP2では一変、タイヤを機能させることに苦労し、ガスリーが15番手、ハートレーは18番手と後退した。

エドルズは、ライバル勢の幾つかはスリップストリームの利を得て、ロングストレートで大幅なゲインを得たと主張。トロロッソ・ホンダの二人のドライバーはトゥを得ておらず、タイムに換算して0.4秒~0.5秒の向上の余地があるとの見解を示した。

仮にFP2で15番手となったガスリーがコンマ5秒のゲインを得ると、ケビン・マグヌッセン(Haas)を抜き去り9番手に躍り出る計算となる。前方を走るマシンの真後ろに発生する空気抵抗が小さいエリアを上手く利用できれば、走行速度を大幅に上げることが可能となる。

舞台となるバクー市街地コースは、16コーナーから最終20コーナーを経て1コーナーへと続く2kmにも及ぶエンジン全開区間を持つ。複数のコーナーが存在するものの、この区間は事実上のロングストレートとみなされており、エドルズの主張通り、トゥの有無はラップタイムに極めて大きく影響する。

予選に向けての挽回に挑む

ジョナサン・エドルズチーフ・レースエンジニア

バクー市街地コースはこれまでサーキットとは異なり、マシンに要求される要素が大きく異なる。最も大きいのは、2kmにも達するストレートでのエアロダイナミクスだ。これに対処すべく、我々は幾つかの新しいコンポーネントを持ち込んだ。

午前のセッションの際の路面はかなり汚れていたし埃っぽかった。概してグリップレベルが低くかったため、セッションの早い段階でラップタイムをまとめ上げるのはかなり難しかった。実際様々なドライバー達が、いとも簡単にフロントタイヤをロックさせコースオフしていた。

この難しい状況に加えて、我々はピエールのクルマに幾つかの問題を抱えてしまった。パワーユニットに幾つかの微調整が必要になってしまい、予定していたものとは別の空力テストを行う事にした。このトラブルの影響で、ピエールはFP1のセッションを最大限に活かすことが出来ず仕舞いになってしまった。ストリートサーキットで走行が制限されてしまうのは大きな痛手だよ。

一方のブレンドンのガレージは、問題のないクリーンな一日になった。FP1でメカニカルなテストを幾つか行い、何とかしてこれを完了させた。その結果、FP2ではより踏み込んだエアロダイナミクスの変更を実施する事が出来た。路面温度が低下したために、タイヤを機能させるべく再度最適化する必要に迫られた。

FP2では大きなトラブルもなく、概ね計画通りに事を進める事ができた。ただし、ロングランでは期待していたほどの速さを引き出す事が出来なかった。我々は、もう少し上のポジションが得られるだろうと考えている。明日に向けて改善させるため、今夜はやるべき事がたくさんある。

ここバクーではスリップストリームが極めて大きなカギを握る事になる。ストレートでトゥを得られれば、最終コーナーの地点で少なくともコンマ4・5秒のゲインになるはずだ。ライバルの中にはトゥを得てのタイムを残したマシンが数台あったが、我々はトゥなしに記録した。予選でトゥを得るのはかなり難しいが、幾つか検討してみるべき案がある。今夜はやるべき事が山積みだ。


2018年F1アゼルバイジャンGP土曜のフリー走行は、日本時間28日(土)19時から、公式予選は同22時からバクー市街地コースで開催される。土曜は晴天と気温の上昇が予想されているものの、決勝の行われる日曜は気温も低く、強風が吹き荒れる予報となっている。

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