メルセデス、またもポーパシングで苦境に「抜本的改善が必要」レッドブルとフェラーリに全く手が届かず
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F1第8戦アゼルバイジャンGP初日プラクティスでメルセデスがまたも苦境に立たされた。ルイス・ハミルトンもジョージ・ラッセルも直線区間でのクルマのフィーリングを特に問題視している。激しいポーパシングが足枷となっているようだが、首脳陣は「抜本的改善が必要」とも指摘する。
FP1ではハミルトンが6番手につけたものの、FP2では12番手と大きく後退。7番手を刻んだラッセルですら、トップのシャルル・ルクレール(フェラーリ)から1.324秒もの遅れを取った。
シングルラップでもロングランでも前方のフェラーリ及びレッドブルには遠く及ばず、エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは「微調整というよりは根本的な改善を目指す必要がある」と残りの週末に向けて悲観的だ。
「バランス面に大きな問題はないが、コーナーでのグリップが不足しているし、ドライバーはストレートで不快に感じている。一晩で改善しなければならない」
「ストレートライン速度もあまり良くない。これはクルマの底が地面に叩きつけられている事が一因だろう」
「今日は幾つかの新しいパーツを試してみた。これが問題に繋がったのかについて、これから検証していくつもりだ」
シルバーアローは高速のバクー市街地コースにローダウンフォース仕様の前後ウイングを投入すると共に、ウイング状に仕立てたサイドインパクト構造の下部に、気流改善を目的にディフレクターを追加した。
奮わなかった原因についてハミルトンは、ストレート終端での激しいポーパシングが原因だと説明した。
「今日は何しろバウンシングが酷かった。速度が高いストレートエンドでボトミングしてしまうんだ。僕らは前戦と同じような問題に直面している」
「FP2では僕のクルマで実験的な試みに取り組んでみたんだけど、あまり良い感触じゃなかった。明日はおそらく、元のセッティングに戻すことになるだろうね」
「トップの連中との1.3秒、1.6秒の差はストレートに原因があるように思うけど断定はできない」
気温が下がったFP2で競争力を落としたのはタイヤのグリップ低下が一因だとラッセルは考えている。
「トリッキーな1日だったし、思っていた以上に競争力がなかったのは確かだ」とラッセル。
「ここはタイヤのスイッチを入れて、適切なウィンドウで走らせるのが難しいコースなんだ。多くのドライバーが走行の終盤に最速タイムを出していたのに対して、フェラーリやレッドブルは直ぐにタイヤを機能させていたように思う」
「とは言え、例えタイヤの問題がクリアできたとしても、それは問題の50%に過ぎず、残りの50%は純粋なクルマのパフォーマンスに依るものだ」
「車体をできるだけに地面に近づけているために、高速コーナーではクルマが完全に底をついてしまう。これは誰にとっても同じ事だけど、本当にドライブし辛いんだ」
FP1ではハースのミック・シューマッハがポーパシングが原因と見られるウォーターリークに見舞われた。シューマッハは路面のバンプが大きな要因と考えており、来季以降に向けて再舗装が必要だと提言しているが、ラッセルも同意見のようだ。
「この世代のマシンが将来的にどうなるかは分からないけど、今後4年間に渡ってこんな風に走り続けるのは不可能だと思う。議論が必要だ」とラッセルは付け加えた。
1ラップペースではアルピーヌに次ぐ4番手ながらも、後方のアルファタウリやマクラーレンとの差は僅かであり、またロングランでは3番目のペースを刻んでいるが、上位のフェラーリ及びレッドブルとの差は1周あたり1秒近く遅い。波乱なしの展開でメルセデスが表彰台を狙うのは現時点では難しそうだが果たして。
アゼルバイジャンGPの初日FP2をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手セルジオ・ペレス(レッドブル)を0.248秒差で退けた。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。
2022年F1アゼルバイジャングランプリ3回目のフリー走行は日本時間6月11日(土)20時から、公式予選は同23時から1時間に渡ってバクー市街地コースで開催される。