F1:7月5日開幕へ…オーストリア政府、グランプリ開催計画を承認
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2020年シーズンのF1世界選手権開幕の土壌が整った。オーストリア保健省は5月30日(土)、F1と現地プロモーターから提出された新型コロナウイルス感染症対策を含むグランプリ開催計画について、当局の要件を満たしている事を確認し、これを承認した。地元メディアが同日伝えた。
報道によると、ルドルフ・アンショーバー保健大臣はF1開催計画について「専門家による詳細なレビューを経て、コロナウイルスの蔓延を防ぐための要件を満たしている事が確認された。主催者や地方保健当局との緊密な連携が極めて重要だ」と述べたという。
F1オーストリアGPの舞台となるレッドブル・リンクはこれに先立ち、MotoGPに参戦するレッドブルKTMのプライベートテストのために5月27日・28日の2日間に渡ってコースを貸し出していた。チームは新型肺炎の安全対策ガイドラインに従ってポル・エスパルガロとダニ・ペドロサを含めた参加者全員に検査を行い、陰性を確認した後テストに臨んだ。
地元政府の承認が得られた事で、感染症の第二波到来などの特別な事情がない限りは、シュピールベルクでのイベント開催を妨げる要因は全て取り除かれたと言える。グランプリ・ドライバーズ・アソシエイション(GPDA)会長を務めるアレックス・ブルツは開催計画を支持しており、F1ドライバー達の合意形成も済んでいる。
後はF1及び国際自動車連盟(FIA)からの正式発表を待つのみ。計画では、F1オーストリアGPは7月5日と12日に開催される。F1は1950年の創設以来、史上初めて1シーズン、1週間以内に2つのレースを同じ会場で開催する事になる。
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは政府承認を受け、APAとのインタビューの中で「F1が軌道に乗ることは非常に重要だ」と述べると共に、「我々はシュピールベルクで過去2年連続で優勝している。今回も勝てる事を願っている」と語った。マックス・フェルスタッペンの4連勝に期待がかかる。
開催計画の詳細は不明だが、入国に際してはCOVID-19の陰性証明書が必要で、現地滞在中は2日毎に検査が義務付けられるものとみられている。また、関係者の出入国や機材の輸送にはサーキットから5分の距離にあるツェルトベク飛行場が使われる見通しで、チャーター便を使うといったアイデアもある。
F1オーストリアGPのダブルヘッダーが滞りなく終われば、7月19日のハンガロリンクでのF1ハンガリーGP開催に向けて大きく弾みを付ける事になる。更に8月初旬にはシルバーストンでのイギリスGPが計画されており、F1は9月までにバルセロナ、スパ、モンツァでのイベントを目論んでいる。