フェラーリ、”まさか”の2位表彰台を喜ぶ一方「俺たちに浮かれてる余裕はない」
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予選ではポール争いはおろか、ミッドフィルダーにさえ破れファンを絶望させたスクーデリア・フェラーリだが、7月5日(日)のオーストリアGP決勝レースでは7番グリッドのシャルル・ルクレールが2年連続となる2位表彰台を獲得。通算11回目のポディウムに上がった。
予選Q2でノックアウトし11番グリッドからレースに臨んだセバスチャン・ベッテルは、1回目のセーフティーカー・ラン明けの31周目に、ターン3への侵入でカルロス・サインツ(マクラーレン)と軽く接触してスピン。後方に転落した。ポイント圏内の10位で辛うじてフィニッシュしたものの、精彩を欠いた。
チーム代表のマッティア・ビノットは「予選があのような結果であっただけに、予想を遥かに上回るリザルト」であったと認め、ルクレールについては「オープニングラップからファイナルラップに至るまで獅子のように戦い、あらゆるチャンスを最大限に活かした素晴らしい走りを見せてくれた」と評した。
無論これほどの好結果を予想していたはずもなく、レースを終えたルクレールは「2位で終われるなんて予想だにしてなかった」と喜ぶ一方で「パフォーマンス面で目標に達していないという事実を無視してはならない」とも述べ、気を引き締めた。
ビノットも同様だ。マラネロの指揮官は「今回19ポイントを獲得できたのは、現場とファクトリー双方の仕事の成果だけでなく信頼性に依るものだが、純粋なパフォーマンスという点では予想以上に遅れを取っており、これは今日の結果を以てしても補うことはできない」と語った。
今週末のSF1000には、元レーシングドライバーでパラリンピック金メダリストのアレックス・ザナルディの回復を祈る「#ForzaAlex」のメッセージが添えられていた。イタリア出身の元F1ドライバーは6月19日(金)の夜、ハンドバイクの競技中にトラックと衝突。2度に渡る脳神経外科手術を受け、今もシエナのサンタマリア・アッレ・スコッテ病院で人工呼吸器に繋がれている。
フェラーリ:F1オーストリアGP決勝
シャルル・ルクレール決勝: 2位, グリッド: 7番手
チームは戦略とマシンの両方で素晴らしい仕事をしてくれた。今日は死力を尽くさなきゃならないって覚悟してたんだ。チャンスがあれば何があろうとも掴まなきゃならないって自分自身に言い聞かせていた。今日はそういうスタンスでドライブしたんだ。2位で終われるなんて予想だにしてなかったから、結果には本当に満足してる。
表彰台でシーズンをスタートさせる事ができた事は素晴らしいことだけど、パフォーマンスという点では望んだ位置に達していないという事実を無視しちゃならない。今週末はセーフティカーやライバルのリタイアというラッキーな部分があっただけで、今後数戦で優勝争いを期待できる状況じゃない。
僕らはモチベーションを維持する必要がある。マシンを改善させるためにファクトリー全体が懸命に仕事に取り組んでくれているはずだと信じている。今の僕らに必要なのは、自分たちの目標にフォーカスし続けるメンタルなんだ。
セバスチャン・ベッテル決勝: 10位, グリッド: 11番手
厳しいレースになることは事前に分かっていたけど、そうは言っても僕にとっては残念なレースだった。予選と同じように、最初の2周を終えた時点ですでに苦戦していた。金曜日にあったバランスとスピードがどこかへ消えてしまったため、マシンをコース上に留めるだけで精一杯だった。次の週末に向けて原因を探っていかなきゃならない。
7月5日(日)にレッドブル・リンクで行われた2020年のF1開幕オーストリアグランプリ決勝レースでは、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスがポール・トゥ・ウインを飾った。2位はフェラーリのシャルル・ルクレール、3位表彰台にはマクラーレンのランド・ノリスが滑り込んだ。