ダニエル・リカルド、揺るがぬ自信「そうなるまで続けるだけ。そしてそうなる」陽の当たらぬ母国レースで示した”兆し”
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ダニエル・リカルド(RB)は思い通りに進んでいないシーズンに対して「パニック」になることなく改善に向けて前向きな姿勢を保っており、「何かを見つける」のは時間の問題だと考えている。
失意の予選Q1敗退を経て、最後尾18番グリッドからF1第3戦オーストラリアGPに臨んだリカルドは、6つポジションを上げ、12位でフィニッシュした。レース中、スポットライトが当たる事はなかった。
批評家たちを黙らせるためには、チームメイトの角田裕毅を上回る強力なリザルト、そして印象的なフォーマンスが必要となるだろうが、リカルドに焦りはない。
クルマを降りたリカルドは、物を壊しかねないほどの予選後のフラストレーションをレース前夜に解消した上でグリッドに着いたと明かし、「年齢と共に少し落ち着いてきたのかもしれないね」と付け加えた。
「レース中にペースを発揮できた瞬間もあったし、『よし、僕はまだ良いスティントが走れる 』って事を示せたし良かったよ」
証明できた、とのリカルドの実感は思い込みではない。
リカルドについてテクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「リザルトには表れていないが、進歩の兆候が幾つか見られる。次からのイベントでそれを生かすことができると期待している」と振り返った。
またローラン・メキーズ代表は「ダニエルのペースは好調だった。後方からのスタートが悔やまれるばかりだ。もっと良いポジションからスタートしていればポイントを獲得できたはずだ」と語った。
リカルドはレース中に得た気づきや特定のラップ、コーナーで感じた事を後でエンジニアと共有し議論するために、ステアリングに設置されたボタンを使用して記録している。
そしてその記録を元に、テレメトリを含む各種データと関連付け、自身のドライビングを分析し、エンジニアにたくさんの質問を投げかけるだけでなく、自分自身にも多くを問いかけ続けているという。
リカルドは首脳陣ほど自らを高く評価してはいないが、以前の調子を取り戻せるとの確信に揺らぎはない。
「絶対にできると信じている」とリカルドは語る。
「パニックに陥ってはいないし、シーズンがもっと良い形で始まっていたらとは思うけど、兎に角、頑張り続けるだけさ」
「去年と比べてクルマがあまり変わっていないという点でも幾らか自信が持てているんだと思う」
「全てを変えたわけじゃないし、突然、このクルマがユーキに合って僕に合わなくなるなんて事はないわけだからね」
「何かを見つけられると思う。今週末だと思っていたけど、もしかしたら次かもしれない。次じゃなかったら、そうなるまで続けるだけだし、いつかそうなる」
2024年F1第3戦オーストラリアGPの決勝は、2番グリッドからスタートしたカルロス・サインツ(フェラーリ)が通算3勝目を上げ、2位にシャルル・ルクレールが続いた事でスクーデリア・フェラーリが1-2フィニッシュを飾った。
鈴鹿サーキットを舞台とする次戦日本GPは4月5日のフリー走行1で幕を開ける。