アウディ、次世代F1の要となる持続可能燃料を「bp」と共同開発
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2026年よりFIA-F1世界選手権に参戦するアウディはハンガリーGPを週末に控えた7月15日(月)、英エネルギー大手「bp」との戦略的提携を発表するとともに、2022年末から約2年に渡って100%持続可能燃料の開発に取り組んできたことを明らかにした。
次世代F1ではICE(内燃エンジン)を100%持続可能な燃料で稼働させなければならない。PUのシステム総出力に占める電力の割合はほぼ 50%に増加する。これは、パフォーマンス上の違いを生み出すのが、もはやシャシーとドライブだけではなく、燃料とバッテリーの開発が極めて重要であることを意味する。
各エンジンメーカーは1.6リッターV6ターボを稼働させる燃料の開発を外部パートナーとともに取り組んでいる。フェラーリはシェルと、メルセデスはペトロナスと、ホンダはアラムコと、RBパワートレイン/フォードはエクソンモービルと協力しており、今回、アウディはbpとの提携を発表した。
アウディはまた、2026年以降、bp傘下のカストロールよりエンジン用潤滑油、電気モーターおよびバッテリー用EVフルードの供給を受ける。さらに長期のスポンサーシップにより、bp、カストロール、アラルのマーケティングを行う。
アウディはこれまで、世界ラリー選手権(WRC)や世界耐久選手権(WEC)、世界ラリークロス選手権、フォーミュラE、ドイツツーリングカー選手権(DTM)でカストロール製品を使用してきた。
2026年に向けてアウディの完全子会社になることが決まっているザウバーのアンドレアス・ザイドルCEOは「アウディとbpはモータースポーツにおいて常に協力し合い、成功を収めてきた。この特別なパートナーシップをF1でさらに発展させることができることを嬉しく思う」と語る。
「このような早い段階でパートナーシップを結べたことは、アウディの将来的なF1ファクトリーチームにとって大きな意味を持つ」
bpとの共同開発についてアウディ・フォーミュラ・レーシングGmbHのアダム・ベイカーCEOは「2026年以降のF1では、持続可能燃料の分野において激しい競争が繰り広げられるだろう。これを考慮すると、2022年末(という早い段階)からbpと燃料テストを開始することが重要だった」と説明する。
「燃焼プロセスは非常に複雑であり、これを最適化するにはエンジンの開発と燃料特性の組み合わせを考慮しなければならない。そのため我々は、FIAの規定で認められている3つの単気筒テストベンチをすべて燃料開発のために使用している」
「これまでに開発してきた燃料のバリエーションの多さには驚かされる。bp、カストロールと組んだことで完璧な協力体制が整ったと我々は確信している」