アストンマーチンF1、新チーム代表を含む再編―ホンダとの王座獲得に向けた新体制を発表

英国シルバーストンにあるアストンマーチンのF1ファクトリーCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチンF1チームは、2026年からのホンダとのフルワークス体制移行を見据え、上級マネジメントチームの再編を実施することを発表した。今回の変更は、明確なリーダーシップと効率的な組織構造を実現し、将来的なチャンピオンシップ獲得を目指すものだ。

再編の一環として、チーム代表を務めてきたマイク・クラックに代わり、アンディ・コーウェルが新たに最高経営責任者(CEO)兼チーム代表に就任する。

Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アンディ・コーウェル、2024年7月2日

コーウェルは、2014年から2020年にわたるメルセデスF1の支配期を支えたパワーユニット開発の中心人物であり、2024年10月にグループCEOとしてアストンマーチンに加入した。今後はその豊富な経験と成功実績を背景に、新体制を牽引していく役割を担う。

新体制についてコーウェルは、「AMRテクノロジー・キャンパスの完成と、2026年にホンダおよびアラムコとの完全なワークス体制への移行を控え、我々はチャンピオンシップを獲得するチームになるための旅路に立っている。今回の組織変更は、我々が計画してきた複数年計画の自然な進化だ。将来が本当に楽しみだ」と述べた。

トラックサイドとテクノロジーキャンパスの分離

新体制では、トラックサイド部門(レース現場)とテクノロジーキャンパス部門(車両開発拠点)が明確に分離され、それぞれが独立した指揮系統の下で運営される。加えて、その各々にエアロダイナミクス、エンジニアリング、パフォーマンスの各専門部門が設けられる。

チーム代表を務めてきたクラックは、「チーフ・トラックサイド・オフィサー」としてトラックサイド部門の指揮を執る。また、エンリコ・カルディーレは「チーフ・テクニカル・オフィサー」としてテクノロジーキャンパス部門を率い、アーキテクチャの設計から車両製造に至るまでの全責任を負う。

11年間にわたってトラックサイドでパフォーマンス向上に寄与してきたトム・マッカローは、チームのモータースポーツ活動全体を視野に入れた戦略拡大において中心的な役割を果たしていく。

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アストンマーチンのマイク・クラック代表、2023年7月6日F1イギリスGPの舞台シルバーストン・サーキットにて

アストンにとって2025年シーズンは、2026年からのホンダ・フルワークス体制への移行を控えた重要な過渡期となる。新たな組織構造がどのように機能し、競争力を向上させるかが注目される。

新体制の下、チームは2025年のグリッドでトップ争いに加わることを目指すと同時に、2026年以降のチャンピオンシップ獲得に向けた基盤を築いていくことになる。

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