実車お目見え！アストンマーチンAMR24、レッドブルを「絶対に打ち負かせるアプローチ」を採用
Published：
アストンマーチンの2024年型F1マシン「AMR24」が英国シルバーストン・サーキットでシェイクダウンを実施。テクニカル・ディレクターのダン・ファローズ曰く、打倒レッドブル「間違いなしのアプローチ」を採用した新車の姿がお目見えした。
2月12日(月)の新車発表を経てチームは、F1イギリスGPの舞台にして本拠脇の伝統のコースで初の試験走行に着手した。ランス・ストロールがステアリングを握り、チームメイトのフェルナンド・アロンソはガレージ内でその様子を見守る。
英国シルバーストン・サーキットでアストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンを行うランス・ストロール、2024年2月12日 (8)
英国シルバーストン・サーキットでアストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンを行うランス・ストロール、2024年2月12日 (1)
英国シルバーストン・サーキットでアストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンを行うランス・ストロール、2024年2月12日 (13)
英国シルバーストン・サーキットでアストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンを行うランス・ストロール、2024年2月12日 (11)
英国シルバーストン・サーキットでアストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンを行うランス・ストロール、2024年2月12日 (10)
2024年はグランドエフェクトカー規定導入3年目となる。テクニカル・ディレクターを務めるダン・ファローズは、徐々に開発の余地があるエリアが減少してきている事を認めつつも、引き出せるラップタイムは「まだ多い」として、昨シーズンに22戦中21勝を挙げたワールドチャンピオン、レッドブルを追い詰めることは達成可能な目標だと考えている。
「我々は現在、ラップタイムを見つけるべく、フロアやクルマの他の部分のディティールに取り組んでいる。依然として見いだせるラップタイムはまだ多いだろう」と元レッドブルの空力責任者は語る。
「我々はレッドブルを絶対に打ち負かせるというアプローチを採っている。我々が追い求めているのは打倒レッドブルであり、それが我々の目標でもある」
アストンマーチンの2024年型F1マシン「AMR24」実車のフロントエンド (1)
シルバーストン・サーキットを走行するアストンマーチンの2024年型F1マシン「AMR24」、2024年2月12日シェイクダウン
アストンマーチンの2024年型F1マシン「AMR24」実車のリア・サスペンションとサイドポッド、2024年2月12日シルバーストン・サーキット
2024年型メルセデス「W15」はまだ現時点で発表されていないが、AMR24の発表により新しいシルバーアローの詳細の一つが判明した。それはリアエンドがプルロッド式からプッシュロッド式に切り替えられたというものだ。
アストンはパワーユニットだけでなく、最新仕様のメルセデス製ギアボックスとリアサスペンションの供給を受けている。リアエンドは事実上、メルセデスだ。
現行世代のクルマは一般的に、空力の面でプッシュロッド式リア・サスペンションの方がプルロッド式より有利だと考えられている。ダンパーなどのインボード部が車体の高い位置に取り付けられる事でギアボックスの設計自由度が高まり、これによりボディワークにおける妥協を最小限に抑える事が可能となる。
昨年型のメルセデスはリアの垂直方向の動きを制御するのに苦戦した。結果、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルは不可解な挙動に頭を悩ませた。
W14は元々、2022年型のコンセプトを進化させる方向で設計されたが、シーズンに入るやいなや、そのアプローチが誤りである事が判明した。チームはモナコでのアップグレードにより軌道修正したが、シーズン中に基本的なアーキテクチャを変える事はできないため、それは不完全なものとなった。
英国シルバーストン・サーキットでアストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンを行うランス・ストロール、2024年2月12日 (10)
アストンマーチンの2024年型F1マシン「AMR24」実車のサイドポッド・インレットとアンダーカット、2024年2月12日シルバーストン・サーキット
アストンマーチンの2024年型F1マシン「AMR24」実車のウイングとノーズを含むフロントエンド、2024年2月12日シルバーストン・サーキット
アストンマーチンの2024年型F1マシン「AMR24」実車のサイドポッドとラジエーターダクト、2024年2月12日シルバーストン・サーキット
アストンマーチンの2024年型F1マシン「AMR24」実車のウイングとサスペンションを含むリアエンド、2024年2月12日シルバーストン・サーキット
英国シルバーストン・サーキットでアストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンを行うランス・ストロール、2024年2月12日 (9)
アストンはAMR24のノーズとウイングとの間にスロットギャップを設けてトレンドを追従し、プッシュロッド式を維持しつつもサスペンションを再設計するなど、フロントエンドを最適化した。
サイドポッド・インレットについてはよりワイドに、そして垂直方向に狭く、吸気口の下側を前方に長く伸ばす形状に改め、最新のメルセデス製コンポーネントに対応すべくリアエンドを刷新した。
アストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンに向けて準備するランス・ストロール、2024年2月12日シルバーストン・サーキットにて (2)
アストンマーチン「AMR24」のシェイクダウンに向けて準備するランス・ストロール、2024年2月12日シルバーストン・サーキットにて (1)
ガレージ内で話をするアストンマーチンのフェルナンド・アロンソ、ストフェル・バンドーン、ランス・ストロール、2024年2月12日シルバーストン・サーキット