レースエンジン開発の第一人者、元メルセデスF1のアンディ・コーウェルがアストンのグループCEOに就任

アストンマーチンのグループ最高経営責任者(CEO)に任命されたアンディ・コーウェル、2024年7月2日Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

2014年から2020年に渡るメルセデスのF1支配体制において、パワーユニット開発の指揮を採ったアンディ・コーウェルが、マーティン・ウィットマーシュの後任としてアストンマーチンのグループ最高経営責任者(CEO)に任命された。

メルセデスAMG HPPの元マネージング・ディレクターは2024年10月1日付けで英国シルバーストンのチームに加わり、エグゼクティブ・チェアマンのローレンス・ストロールの下、アストンをF1世界選手権タイトル争いに導く役割を担う。ウィットマーシュは年末までに全ての役割を引き継ぐ。

Courtesy Of Renault

2018年F1スペインGP金曜会見に出席したルノーのレミ・タフィン、メルセデスのアンディ・コーウェル、フェラーリのマッティア・ビノット、ホンダの田辺豊治

ローレンス・ストロールは「ビジネスとしての成長期において重要な役割を果たしてきたマーティンに感謝したい。過去3年間で彼はチームを発展させ、ホンダとの関係を育み、シルバーストンに最先端技術のファクトリーを建設したりするなど、いくつかの重要なマイルストーンを達成してくれた」と語る。

「この重要な時期にアンディをチームに迎えることができて嬉しい。ホンダとのワークスパートナーシップ、タイトルパートナーのアラムコからのコミットメント、そしてアンディのリーダーシップと共に、我々は世界選手権制覇に向けて邁進していく。アンディは勝利に必要なあらゆるリソースを提供してくれるだろう」

コーウェルについてウィットマーシュは「アンディとは長年の知り合いで、2004年に彼をメルセデスHPPに迎え入れた。そこで彼は2013年から2020年にかけてマネージングディレクターとしてビジネスとスポーツの双方で大成功を収めた」と語る。

「彼はアストンにとって素晴らしい資産となり、今後の戦略遂行に大きく貢献するだろう。10月にアンディが着任し、AMRテクノロジーキャンパスが完成すれば、私は身を引いて他のプロジェクトに専念できる。我々にはF1で成功を収めるために必要な素晴らしいチーム、刺激的なビジョン、そして先進的な施設が整っていると確信している」

1999年のコスワース「CR-1」、2001年のBMW「P81」、そして2014年のメルセデス「PU106」など、コーウェルは優れたF1レースエンジン・エンジニアとしてその手腕を奮ってきた。

英国機械学会および英国王立工学アカデミーのフェローでもあるコーウェルはコスワースでキャリアをスタートさせ、2000年にBMWモータースポーツへ移籍。そして2004年にチーフエンジニアとしてメルセデスAMG HPPに入社した。

2008年にエンジニアリング・ディレクターに抜擢されると、2013年にマネージング・ディレクターに就任。メルセデス無双時代におけるV6ターボハイブリッド開発を主導した後、2020年に辞任した。

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