アルピーヌF1、惨憺たる2024年初戦を経て技術体制を刷新…幹部ハーマンとデ・ビアの辞職に続き
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アルピーヌF1チームは3月4日(月)、テクニカル・ディレクターのマット・ハーマンと空力責任者のダーク・デ・ビアの辞表および、悪夢のような2024年シーズンの開幕戦を経て、成績不振を理由に技術部門の再編を発表した。
マクラーレンが昨年、実施したように、テクニカル・ディレクターを唯一のトップとする組織構造から、異なる分野が専門のテクニカル・ディレクター3名を配置する3頭体制へと移行する。
エンジニアリング担当テクニカル・ディレクターはジョー・バーネル(Joe Burnell)が、エアロダイナミクス担当テクニカル・ディレクターはデビッド・ウィーター(David Wheater)が、そしてパフォーマンス担当テクニカル・ディレクターはシアロン・ピルビー(Ciaron Pilbeam)が務める。
先週末のバーレーンでのシーズン開幕戦では、アルピーヌの2024年型F1マシン「A524」の惨憺たる競争力が明らかとなった。予選では2台揃って最下位に沈み、エステバン・オコンとピエール・ガスリーは、それぞれ17位と18位でレースを終えた。ライバル2台がトラブルに見舞われなければ最下位でフィニッシュしていた事だろう。
組織再編の理由について、チーム代表を務めるブルーノ・ファミンは「パフォーマンスレベルという点で、望んでいる場所にも、必要な位置にも到達していないことがハッキリしたため」と述べた。
またアルピーヌはリリースの中で「この決定は、2022年の4位から2023年には6位に転落するなどFIAフォーミュラ1世界選手権で不本意な成績が続き、グリッド上位を目指すという野望の中で幾つかの重要な目標を逃したことを受け下された」と説明した。
つまり今回の再編は開幕戦の不振を受けた直接の措置ではなく、また「A524」の発表前に辞表を提出したと見られているハーマンとデ・ビアの退社により時期が早まった可能性はあるものの、それ以前から検討されていたものと考えられる。
ハーマンとデ・ビアについてアルピーヌは「新たな挑戦を求めるためにチームを去ることを選択した」と説明した。ガーデニング休暇の後、ライバルチームに加わる事が予想される。
英国エンストンのチームは過去12ヶ月で異例というべき数の幹部を失った。昨年7月末にオトマー・サフナウアーとアラン・パーメインがそれぞれチーム代表とスポーティング・ディレクターの職を追われ、その後はパット・フライが最高技術責任者の職を辞し、レーシングディレクターのダビデ・ブリビオも去り、ローラン・ロッシもCEOを解任された。