アルピーヌF1、2021年の新車「A521」に搭載のルノーエンジンを始動

2021年型アルピーヌF1マシン「A521」の暫定カラーリング

ルノー改め、今季よりアルピーヌF1チームへと改称した英国エンストンのチームは2月10日(水)、2021年型F1マシン「A521」のパワーユニットに初めて火を入れた。

リブランドに伴いチーム名、運営母体企業、シャシー名は全てアルピーヌブランドに一新されたが、移行期という事で2021年型のパワーユニットにはルノーのバッジが付けられる。

アルピーヌF1チームが公開した動画には新たなV6ハイブリッド・ターボの唸るようなエキゾーストノートが収められている。

2014年のV6ターボ導入以来初めて、ルノーはエンジン供給先のないシーズンを迎える事になる。マクラーレンは過去2シーズンに渡ってルノー製PUを搭載していたが、今季よりメルセデス製に切り替える。

自チームのみの単独供給は政治的発言力が制限されるのみならず、経済的に言っても理想的とは言えない。更に、育成ドライバーのためのシートという点でも課題となる。

アルピーヌは今年、クリスチャン・ルンガー、周冠宇、オスカー・ピアストリ、カイオ・コレットの従来のメンバーに加えて、新たにビクター・マルティンスをアカデミーに迎え入れた。

アカデミー3年目を迎える中国出身の21歳、周冠宇と、19歳のデンマーク人、クリスチャン・ルンガーはF1に最も近いドライバーであるが、今季よりF1に復帰するフェルナンド・アロンソは2022年まで契約を結んでおり、来年に空きが出るとすればエステバン・オコンがもつ1シートのみとなる。

こうした状況からチームは、来年のF1デビューを視野にライバルチームのシートを用意すべく水面下で交渉を進めている

パワーユニットの供給は交渉のカード足り得る。昨年末の段階ではアルファロメオが候補として噂されていたが、スイス・ヒンウィルのチームはスクーデリア・フェラーリとの関係拡大を選んだ。

よって現実的に残る選択肢はウィリアムズだが、チーム買収を経て新たなオーナーを得たチームは今年よりパワーユニットに加えてギアボックス並びに油圧システムを購入するなど、メルセデスとの協力関係を強化している。

なおアロンソは11日(木)、スイスでサイクリング中に交通事故に巻き込まれ地元病院に搬送された

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