フェルナンド・アロンソ、2020年の第104回インディ500にマクラーレンSPから参戦
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2度のF1ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソが、2020年の第104回インディアナポリス500マイルレースに、アロー・マクラーレンSPからスポット参戦する事が正式発表された。今年のインディ500は、5月24日(日)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)で開催される。
38歳のスペイン人ドライバーは5月の伝統の一戦で、フルタイムドライバーのパトリシオ・オワードとオリバー・アスキューをチームメイトとして、シボレーエンジンを搭載する66号車をドライブする。レースエンジニアはベテランのクレイグ・ハンプソンが務める。
アロンソはマクラーレン・ホンダ時代の2017年に、アンドレッティ・オートスポーツから初めてインディ500に挑戦。この時は27周のリードラップを築きながら、エンジンブローによってリタイヤを強いられた。2度目の挑戦となった2019年の第103回大会では、カーリンとの技術提携を取付けたマクラーレンから出走するも無残な予選敗退に終わり、今年3度目の挑戦に向けて交渉を続けてきた。
「インディ500は世界で最も偉大なレースだ」とアロンソ。「僕はこのレースとこれに参加する全ての人々を心から尊敬しているし、いつものように全力を尽くして彼らと競い合いたいと願っている」
「今回の参戦にあたっては様々なオプションを検討したけど、アロー・マクラーレンSPは常にその候補の中のトップだった。僕とマクラーレンとの関係は特別だからね。これまでに多くの事を共に経験してきた間柄だから、強い絆と忠義心がある」
「でもそれ以上に、シボレーとのパートナーシップによって組織及びオペレーションの双方が強化され、強固なパッケージへとまとまってきている事に感銘を受けた。このチームには経験豊富で優秀な人材と素晴らしいリソースがある。競争力があると確信している」
マクラーレンSPの共同オーナー、サム・シュミットは「才能あふれる若い二人のドライバーにとって、新たな経験と専門知識を得る素晴らしいチャンスになるだろう」と述べ、アロンソ起用によるドライバー育成効果に期待感を示した。また、マクラーレンのザク・ブラウンCEOは「フェルナンドには対しては、3台目のマシンを用意するからと伝えて続けてきただけに、チームに加わってくれて嬉しく思う」と語った。
アロンソは当初、高い競争力が期待できるアンドレッティからの参戦が見込まれていたが、交渉成立を目前にして破談となり、参戦そのものが危ぶまれていた。アンドレッティにエンジンを供給するホンダが難色を示したと噂されているが、その理由については「GP2発言」に代表されるF1時代のホンダに対するバッシング、あるいはダカールラリー参戦などの形でトヨタと深い関係にある事などが指摘されている。
シュミット・ピーターソン・モータースポーツは元々ホンダとパートナーシップを結んでいたが、マクラーレンとの提携に際してシボレーへと切り替える事を余儀なくされた。チーム側は昨年10月の段階から、インディ500には3台体制で挑むとしてきたが、アロンソは昨年12月末を以てマクラーレンとのアンバサダー契約を解消したため、マクラーレンSPでのインディ500参戦の可能性は完全に消滅したと考えられていた。
アロンソは既にF1モナコGPとル・マン24時間レースを制しており、残るインディ500で勝利を飾って、グラハムヒルに続く史上2人目の世界三大レース全制覇=トリプルクラウンの獲得を目指しており、4月30日にIMSで行われるインディ500オープンテストで初走行を行う。