アルファタウリ・ホンダ仕様の「HondaJet Elite」、F1イタリアGPより運用開始
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アルファタウリ・ホンダ仕様の「HondaJet Elite」が、2020年シーズンのF1世界選手権第8戦イタリアGPより運用開始となり、モンツァで初優勝を飾ったピエール・ガスリーやダニール・クビアト、チーム代表のフランツ・トストらの足として、F1チームを足元で支えている。
航空機事業を手掛けるホンダ傘下のホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)は9日(水)、伊ファエンツァを本拠とするスクーデリア・アルファタウリに最新型の「HondaJet Elite」をデリバリーした事を明らかにし、本格的な運用を開始したと発表した。
HondaJetは北米、欧州、中南米、東南アジア、中国、中東、インド、そして日本で販売されており、現時点で世界中で155機以上が運用されている。航空機の信頼指数であるDispatch Reliability(出発信頼度)は業界スタンダードを上回る数値を実現している。
アルファタウリ・ホンダ仕様の「HondaJet Elite」はファエンツァのチームだけでなく、シニアチームのレッドブル・レーシングでも使用され、今後は欧州を拠点として役員やF1ドライバー、他競技のアスリートの移動やレーシングサーキットの下見など、多目的で使用される予定だという。例えばオーストリア・イタリア間の移動は通常4時間ほどかかるが、HondaJetであれば約1時間で移動が可能との事だ。
藤野道格HACI取締役社長は「レッドブルよりHondaJet Eliteを選んでいただいたことを、大変うれしく思います。HondaJet Eliteを活用することで、より効率的に、そして安全に選手たちが移動できるようになり、ベストコンディションで各レースに臨めるようになることを期待しています」とのコメントを寄せた。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを努めるDr.ヘルムート・マルコは「HondaJet EliteをFlying Bullsの新しいメンバーとして迎えることができて嬉しく思う。これは、Hondaとレッドブルの間の強力なパートナーシップの新たな一歩だ。HondaJetは、短距離および中距離のルートで特に効率的であるため、とても理想的だ」と語った。
ホンダはマクラーレンとの不遇の3シーズンを経て、2018年よりスクーデリア・トロロッソ(現アルファタウリ)へのパワーユニット供給を開始。その実績が認められ翌年にシニアチームのレッドブル・レーシングを合わせた2チーム供給体制へと移行した。
ホンダF1はレッドブルならびにアルファタウリへと供給するF1パワーユニットにHondaJetのエンジン技術を応用している。