アルファロメオF1、ライコネンへの30秒ペナ覆せず…イモラでの罰則裁定が確定
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第2戦エミリア・ロマーニャGPでキミ・ライコネンに科せられた30秒ペナルティの裁定が確定した。スチュワードは5月2日の再審査を経て、当初の決定を支持する判断を下した。
ライコネンはイモラ戦で9位フィニッシュを果たしたが、リスタートに関わる規約違反でレース後に30秒の罰則裁定が下り13位に転落。これを受けてチームは国際自動車連盟(FIA)に再審査を申請した。
スチュワードは当初の裁定の根拠の一つとして、ライコネンが犯したルールは「幾つかの選手権で一貫して運用されているもので、数年前からF1競技規約にも記載されており、一貫して適用されている」と説明したが、チームはこうしたケースがF1で適用された事が1度もないことに注目して再審査に踏み切った。
再審査請求は4月29日に提出され、スチュワードは5月1日にビデオ会議によるヒアリングを実施。これを経て請求を正式に受理し、2日の朝に2回目のビデオ会議を実施した。
スチュワードはまず最初に、チームが根拠とした件について「F2とF3のケースに言及したものだった」と補足。その上で、ライコネンが陥った状況に前例がなく、またレギュレーションの関連条項の間に矛盾がある事に同意したものの、各々のルールは「それ自体が書かれているものとして十分に明確」であるとして、チームの訴えを退けた。
アルファロメオはスチュワードの決定を受け声明を発表し、ペナルティ裁定を受け入れる考えを明らかにした。
イモラでのレース中盤の再スタートに向け、17台のマシンがセーフティーカー先導でコースに向かったところ、ライコネンはフォーメーションラップ中にスピンを喫し8番手から10番手に後退した。
ポジションを取り戻すべくライコネンは先行車に追いついたが、レースコントロールは再開を前にスタンディングではなくローリングスタートを決断。ライコネンはチームからの指示で追い抜きを断念し、そのままコース上でグリーンフラッグを迎えたが、これが違反と判断された。
ローリングスタート時の手順について定めたF1競技規約第42条12項は「セーフティカーライトの消灯以降は、如何なるドライバーもラインを通過するまで他車を追い越してはならない」としているが、レース再開時の追い抜きについて定めたF1競技規約第42条6項は、第1セーフティーカーラインまでにポジションの回復出来ない場合はピットレーンに入り、全車通過後にコースに復帰する事と定めており、これが違反の根拠とされた。
一件はレース後に大きな波紋呼んだ。スチュワードは、ポジションを失ったクルマがピットに入ることを定めたルールに基づきペナルティを科す他にないと結論づけたが、同時にレギュレーションに幾つかの矛盾があることを認め、整合性が取るために何らかの対処が必要との認識を示していた。