さらばトロロッソ、14年の歴史に有終の美「史上最も成功したシーズン。ホンダに心から感謝」

夕暮れのヤス・マリーナ・サーキットを駆け抜けるトロロッソ・ホンダSTR14、2019年F1アブダビGPcopyright Red Bull Content Pool

スクーデリア・トロロッソが14年に渡る歴史に有終の美を飾った。ホンダ製F1パワーユニットを搭載して挑んだ2年目の今年、2度の表彰台という快挙と共に、コンストラクターズ選手権でチーム史上最高得点となる85点を稼ぎ出して、史上最高位タイの6位を獲得。巨額資本を投じて参戦するワークスのルノーに対して6ポイントに迫る大活躍だった。

テクニカルディレクターを務めるジョディ・エジントンが「マシンはシーズン全体を通してミッドフィールド内で競争力を発揮し、アップグレードにも上手く反応してくれた」と語る通り、サーキットに応じた得手不得手はあれど、STR14は21戦を通して一貫したパフォーマンスを発揮した。


© Getty Images / Red Bull Content Pool

最終アブダビGPでは、ピエール・ガスリーがレーシングポイントの2台と交錯し、1周目に事実上のレース終了となる不運があったものの、ダニール・クビアトの方は見事なタイヤマネジメントによって9位入賞を果たして2ポイントを獲得。最後まで競争力が衰えることはなかった。

伊ファエンツァのチームは来シーズンより「アルファ・タウリ」を名乗るため、「トロロッソ」は今季を以て歴史から消える。フランツ・トスト代表は、華々しい結果を残した今年を振り返り「トロロッソ史上最も成功したシーズンになった」とコメント。ドライバー、現場スタッフ、ファクトリーの開発メンバー、そしてホンダに心からの感謝の意を表した。

「我々はレーシングポイントに対してプラス16ポイント、ルノーに対して8ポイントビハインドという状況で最終戦に挑んだ」とフランツ・トスト代表。

「素晴らしいスタートを切ったにも関わらず、ピエールはストロールに追突されてしまい、その勢いでペレスと接触し、フロントウイングにダメージを負ってしまった。その結果、ノーズ交換のためにピットインを指示せざるを得ず、更にはネジが破損していたために交換に余計な時間がかかってしまった。ピエールのレースペースは本当に素晴らしく、あのアクシデントさえなければ、7位か8位でフィニッシュできたはずだ」

「ダニールの方は、今シーズンのベストレースの1つだった。ベースタイヤ(ハード)でのペースは非常に速く、途方もないほどに競争力のあるペースを発揮していた。40周目にピットインを指示し、プライムに履き替えた後も非常に速いペースを刻んでいたが、ツイてないことに、ヒュルケンベルグをオーバーテイクした際にフロントウイングにダメージを負ってしまった。ラスト数周で幾らかパフォーマンスダウンしていたのはそれが理由だ」


© Getty Images / Red Bull Content Pool、ブラジルで初の表彰台に上がったピエール・ガスリー

「ダニールはホッケンハイムで、そしてピエールはサンパウロで表彰台に上がり、トロロッソとしては今年二度のポディウムを獲得し、チーム史上最も成功したシーズンになった。コンストラクターズチャンピオンシップでは6位に終わったが、5位まであと僅かの差だった」

「ダニールとピエールに感謝したい。二人は献身的に仕事に取り組み成熟したパフォーマンスを発揮してくれた。同様に、チームの誰もが1年を通して見事な仕事をしてくれた。それに、ファエンツァとバイチェスターのみんなの凄まじい努力にも感謝している」


© Getty Images / Red Bull Content Pool、ドイツGPでの3位表彰台に歓喜するクビアトとトロロッソの面々

「空力部門が用意してくれたアップグレードは本当に上手く機能してくれたし、シーズンを通してホンダが示した開発も印象的だった。これらすべての要因が相まって、シーズンの終わりまで競争力を維持する事ができた。ホンダは昨年の冬、ありえない程の仕事をこなして新シーズンの準備を進めてくれた。心から感謝したい」

「最終的にホンダは、レッドブル・レーシングと共に3勝を挙げ、我々とは2回の表彰台獲得を成し遂げた。おかげで私は、来年に向けて大いに自信を深めている。我々はさらに強くなる。2020年が楽しみだ」


© Getty Images / Red Bull Content Pool、ドイツGPでのチーム史上2度目の表彰台獲得を喜び合うホンダの山本雅史マネージングディレクターとトスト代表

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