漂う絶望感「これ以上悪くなりようがない」とルイス・ハミルトン、言葉少なく力なく…レッドブルの圧勝を目に来季を懸念

9位フィニッシュを経てインタビューに答えるルイス・ハミルトン(メルセデス)、2023年11月26日F1アブダビGP決勝レースcopyright FORMULA 1

ルイス・ハミルトン(メルセデス)はF1最終アブダビGPを経て「これ以上悪くなりようがない」と完全に意気消沈した様子を見せた。その受け答えは絶望的な雰囲気すら感じさせた。7度のF1王者は2023年シーズンも再び未勝利に終わった。

ハミルトンはかつて、V6ハイブリッド時代の覇者として君臨してきたが、2022年のグランドエフェクトカー導入以降は一度も優勝できておらず、2年連続でトップチェッカーを受ける事なくシーズンを締め括った。

Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

11番手で予選Q2敗退を喫してピットレーンを歩くルイス・ハミルトン(メルセデス)、2023年11月25日F1アブダビGP

決勝前日の予選では2戦連続で予選トップ10を逃した。ハミルトンにとっては2014年以来、10年ぶりのことだった。

そして決勝では終始、10番手前後を走るレースを強いられ、最終周では格下のアルファタウリを駆る角田裕毅の前に一旦出るも、コーナーの立ち上がりでリアを滑らせ、掴んだはずの8位を失った。

ヤス・マリーナ・サーキットでのレース全体を振り返るよう求められるとハミルトンは「…かなり悪い。本当に悪かった。これ以上悪くなりようがない」とだけ答えた。

「悪い」の内容について具体的に問われると、「…兎に角、遅い。11番手からスタートして9位で終わってしまった…つまり、、クルマに手こずってね。。これ以上は何も言えないよ」と力なく返した。

また英「Sky Sports」から、問題児「W14」に別れを告げる事ができて嬉しいか?との質問を受けると「んー特に。特にそんな事はないよ」とニヒルな笑顔を浮かべた。

経験豊富なベテランとして厳しい今シーズンから何を学ぶ事ができるか?と問われると「あまり多くはないね。全体的に言って素晴らしいシーズンじゃなかった」と述べ、しばらく考え込んだ後、「…僕がそれを生き延びたって言う事実。そのくらいかな」と続けた。

アブダビGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が後続に17.993秒もの大差をつけ今季19勝目を飾った。全22戦で19勝と、勝率は驚異の86.4%に達した。

メルセデスはこの日、フェラーリを相手にコンストラクターズ選手権2位の防衛に成功したが、ハミルトンにとってそれは何の慰めにもなっていないようだ。

2024年の「W15」について、タイトルに挑戦できる資質があると信じているかどうかと問われると、ハミルトンは深く息を吹きながら「そうだね、、今の時点では…本当に分からない」と返した。

「つまり、、レッドブルは結局、17秒差をつけて勝って、8月以降は今のクルマの開発をしていないわけで、それは間違いなく、、間違いなく懸念事項だね」

「僕らは今のクルマについて多くを学んだ。だから、、今は兎に角、チームに懸かってる。彼らは自分たちが為すべき事を分かってる。そこにたどり着けるかどうかは、これから分かることだ」

ハミルトンとは対照的にチームメイトのジョージ・ラッセルは3位表彰台でシーズンを締め括ったが、メルセデスは2011年以来、12年ぶりのシーズン未勝利に終わった。


11月26日(日)にヤス・マリーナ・サーキットで行われた2023年F1第23戦アブダビGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを以て今季19勝目を挙げ、記録ずくめの支配的なシーズンを締め括った。

ポストシーズン・テストと、プレシーズン・テストを経て、2024年シーズンは97日後にバーレーンで開幕を迎える。

F1アブダビGP特集

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