引退ベッテルを気遣いながら予選を戦ったアロンソ、F1アブダビGP決勝でも「配慮するつもり」

ガレージ内でジャック・ドゥーハンの走行を見守るフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、2022年11月18日F1アブダビGP FP1Courtesy Of Alpine Racing

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は引退レースを迎えるセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)を気遣いながら19日(土)のF1アブダビGP予選を戦っていた事を明かし、決勝レースでも同じ様に「配慮するつもり」だと説明した。

ベッテルは11月20日の今季最終戦を以て、4度の世界タイトルを勝ち取った15年間に渡る偉大なるF1キャリアに別れを告げる。かつてV8時代にベッテルと激しいタイトル争いを繰り広げたアロンソは、そんなベッテルの後任として来季アストンマーチンに移籍する。

Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

予選を終えてスタンドのファンに手を振るセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、2022年11月19日F1アブダビGP

The Raceによると、ベッテルの予選について聞かれたアロンソは「ああ、本当に嬉しかったよ」と答えた。

「彼を助けようとしたわけじゃないけど、ミラーで姿を確認した時や、彼がファストラップを走っている時に目を光らせるようにしていたんだ。スムーズな週末を過ごして欲しくてね」

「彼は9番手、僕は10番手からのスタートだから、明日のレースでもスタートやオープニングラップで彼に配慮しようと思ってる。共にチェッカーフラッグを受けられるようにしたい」

アロンソは往年のライバルに対する感謝とリスペクトの印として、明日の決勝レースを特別なデザインのヘルメットで戦う。

それは黄色、赤色、黒色のドイツ国旗のストライプを特徴としたもので、両サイドにはベッテルのロゴマークと「Danke Seb(ありがとうセブ)」のメッセージがあしらわれている。

copyright fernandoalo_oficial@Instagram

引退するセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)に敬意と感謝を記したフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のスペシャルヘルメット、2022年F1アブダビGP

パドックはベッテル送別ムードに溢れている。週末を前にしては20名のドライバーが一同に介して夕食会を楽しんだ。

また、アストンマーチンのガレージにはベッテルが初めて着用したレーシングスーツと幼少時の写真が飾られており、予選後にはF1関係者全員を招待してのグループランが行われた。

アロンソがQ2敗退を喫したのはベッテルがQ3に滑り込んだためとも言えるが、2度のF1ワールドチャンピオンは予選の出来に満足している。

「予選ではペースが上がらなかったから、10番手スタートというのはかなり満足できる結果だと思ってる」とアロンソは語る。

「Q1は接戦だったし、Q2は何台ものクルマがコンマ1秒以下の差で並ぶ状況だった」

「オーバーテイクが難しいことは分かっているけど、明日はベストを尽くして楽しみながらトップ10圏内を目指していくつもりだ」

「アルピーヌのマシンに乗るのもこれが最後だから、全てを出し切ってチームと共に最高の形で終わりたいと思ってる」

チェッカー後のベッテルとアロンソによる”ドーナツ競演”に期待したい。


2022年F1アブダビGP予選ではマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得。2番手にセルジオ・ペレスが続いた事でレッドブルが最前列を独占する結果となった。

アブダビGPの決勝レースは日本時間11月20日(日)22時にフォーメーションラップ開始の時を迎える。1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。

F1アブダビGP特集

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