2022年F1エンジン性能差、ホンダはフェラーリの5.4馬力ダウン? 更に拡大の可能性も
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E10燃料対応を経て誕生した2022年の各メーカーのF1パワーユニット(PU)の性能差は如何ほどなのか? 開幕5戦を終えた現時点でトップを走るのは、ホンダ(レッドブル・パワートレインズ)に5.44馬力(4kW)差のフェラーリと見なされている。
レッドブルRB18の最高速はライバルを圧倒し続けている。チェコの相性で知られるセルジオ・ペレスは今シーズンの全ての予選スピードトラップで最速を記録。更に5戦の内の3戦では僚友マックス・フェルスタッペンが2番手につけている。
にも関わらずAMuSによると、フェラーリの2022年型F1パワーユニット「066/7」はホンダV6ハイブリッド・ターボに約5.4馬力、メルセデスに10.88馬力(8kW)差をつけており、グリッドの中で最もパワフルなパフォーマンスを示していると言う。
更にこのギャップは残りのシーズンで拡大する可能性すらある。フェラーリはハイブリッドシステムの改良に取り組んでおり、新開発のMGU-K、ES(バッテリー)の投入によってICEのブーストパワー向上が期待されている。
また信頼性への懸念から、マラネロのテクニカル部門は第5戦マイアミGPまで、信頼性を重視してモードを抑え、データ収集に取り組む計画を立てていた。スペイン以降は懐に忍ばせていた更なるエンジンパワーを開放してくる可能性がある。
ただしシーズンを通してのPU運用計画は4基を予定しているとも噂されており、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツは後半戦の何処かで降格ペナルティを受ける可能性がある。
RB18の脅威的なトップスピードは低ドラッグのマシンパッケージに依るものだと考えられている。
エイドリアン・ニューウェイ率いる技術チームが作り上げた今季のチャレンジャーは、アンダーボディを介して発生するダウンフォースの割合が他のどのライバルよりも大きく、その分だけウイングを軽くする事ができる。
更にフェラーリやメルセデスなどとは異なりポーパシングを掌握しているため、ライドハイトを限界まで下げる事ができる。前衛投影面積(マシン正面から見た際の面積)が小さくなればドラッグは減り、引いてはトップスピードでのアドバンテージに繋がる。