ウィリアムズF1、”悪夢の2019年”以来となる冠スポンサー契約間近か

ウィリアムズF1チームのガレージに掛けられたヘッドギアCourtesy Of Williams

2024年のF1コンストラクターズ選手権で9位に終わり、わずか17ポイントの獲得にとどまったウィリアムズが、2025年シーズンに向けて新たなタイトルスポンサー契約を締結する可能性が浮上した。

英SportBusinessによると、英国グローブを拠点とするウィリアムズは、オーストラリアの法人向けソフトウェア大手「アトラシアン(Atlassian)」との契約締結が間近に迫っているという。

アトラシアンとは?

アトラシアンは、プロジェクト管理ツール「Jira(ジラ)」などを開発する企業で、30万社以上の顧客を抱え、企業価値は数十億ドル規模とされる。同社がこれまでF1のタイトルスポンサーを務めた実績はない。

タイトルスポンサー契約は、通常のスポンサー契約と比べて収益規模が大きい。例えば、レッドブルとオラクルの契約は5年間で約3億ドル(約455億円)とされており、チームの財政基盤を強化する重要な要素となる。

ウィリアムズにとってこの契約が成立すれば、2019年以来のタイトルスポンサー契約となる。財政的な安定を確保し、マシン開発や施設の強化、スタッフの拡充を進めることで、競争力の向上が期待される。

ウィリアムズは昨シーズン終了後、すでにスペインの銀行「サンタンデール」と大口スポンサー契約を締結している。これは、4度のグランプリ優勝経験を持つカルロス・サインツの加入が大きく影響したと考えられている。アトラシアンとの契約が正式に決まれば、ウィリアムズは財政面でさらなる安定を得ることになる。

Courtesy Of Williams

ウィリアムズFS46のノーズに掲出されたサンタンデールのロゴ、2024年12月9日

過去のスポンサー契約と訴訟問題

ウィリアムズは2019年シーズンに向けて、通信会社「ROKiT」と5年のタイトルスポンサー契約を結んだが、ROKiTはわずか1年で契約を解除。この問題を巡り、ウィリアムズは米国の裁判所に提訴し、3200万ドル以上の支払いを受ける判決を勝ち取った。

Courtesy Of Williams

ROKiTのロゴが掲げられたウィリアムズ「FW42」のエンジンカバー、2019年12月4日にヤス・マリーナ・サーキットで行われたF1ポストシーズンテストにて

しかし、2023年にはROKiTが1億4900万ドルの反訴を提起。ROKiTのオーナーであるジョナサン・ケンドリックは、2019年の交渉時にウィリアムズがチームの競争力について虚偽の説明を行ったと主張した。

だが、提訴からわずか5カ月後、訴訟は棄却。これは、ROKiT側の弁護士ラリー・クレイマンがフロリダ南部地区裁判所での弁護士資格を一時停止されていたことが判明したためだった。その後、ROKiTはカリフォルニア州で改めて訴訟を提起する意向を示している。

ウィリアムズは、2025年の新型マシン「FW47」を2月14日に英シルバーストンで発表する予定だ。さらに、2月18日にはロンドンのO2アリーナでF1全チームの2025年リバリー発表イベントが開催される。

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