Wシリーズ、2020年シーズンを断念も 2021年にF1サポートレースを開催
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女性限定のシングルシーターカテゴリ「Wシリーズ」は6月4日(木)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を受けて2020年シーズンを断念すると発表した。
小山美姫選手が参戦する事もあって日本でも高い注目を集めるWシリーズは、初年度となった2019年シーズンにDTMドイツ・ツーリングカー選手権のサポートレースとして6戦を行い、ウィリアムズの開発ドライバーを務めるジェイミー・チャドウィックが初代チャンピオンに輝いた。
2シーズン目の今年は全8戦のスケジュールが組まれ、5月30日にロシアのサンクトペテルブルクで開幕が、そして10月31日のメキシコシティで閉幕が予定されていたが、国際自動車連盟(FIA)やF1、DTMとの協議を経て、今シーズンの中止が正式に決定した。
ただその一方で、13回のF1グランプリ優勝経験を持つデビッド・クルサードや経験豊富なレーシングディレクターのデイブ・ライアンを含むマネジメントチームは、すでに2021年シーズンのカレンダー策定を進めており、本来であれば今年開催されるはずであったF1のサポートイベント2レースを2021年に繰り越す事に成功した。
Wシリーズのキャサリン・ボンド・ミュール最高経営責任者は、シーズン全体をキャンセルするという決断は「決して簡単なことではなかった」と説明。その上で、2021年シーズンに米国オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)及びメキシコシティのエルマノス・ロドリゲスの2戦でF1のサポートレースを行う事を明らかにした。
F1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンは「COVID-19の影響でイベントが中止されるのは我々にとっても非常に残念」と述べ、2021年シーズンの復活に期待感を示した。
シーズンは中止されたものの、Wシリーズは6月11日に、定評のあるオンラインシミュレーター「iRacing」をプラットフォームとした新しいeスポーツリーグ(W Series Esports League)を開幕させる。これには小山美姫選手を始め、初代王者のチャドウィックや、Amazonプライムビデオの「グランド・ツアー」でお馴染みのアビー・イートンなど、今シーズンの参戦資格を持つ18名のドライバーが参戦する。