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レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによるとマックス・フェルスタッペンは”ル・マン騒動”にも関わらず、好きが高じてプライベートジェット機にまでシミュレーターを設置したという。
首位を争いながらも接続不良により2023年ル・マン24時間バーチャルでリタイヤを余儀なくされたフェルスタッペン。「2度と参戦しない」と怒りを爆発させながらも、シムへの情熱は一切、冷めておらず、今年はリアルサーキットでコックピットに座るだけでなく、レース転戦の僅かな合間にも上空でステアリングを握ることになるようだ。
ドイツのTV放送局「Sport1」とのインタビューの中で、ル・マン24時間バーチャルでのトラブルを経てフェルスタッペンはシムレースへの情熱を失い、今後は3度目のF1世界タイトル獲得のためにリアルレースに集中するのでは?と問いかけられるとマルコは「その逆だよ」と答えた。
「今後、空中でもシミュレーターをドライブできるように自家用飛行機を改造したんだ」
「でもそれは彼にとっては良いことなんだ。マックスにはそういう気晴らしが必要だし、少なくともこれまでの2つのタイトル獲得において、それ(シムレース)が悪影響を与える事はなかったからね」
フェルスタッペンは1月中旬のル・マン24時間バーチャルで選手権をリードする1号車チーム・レッドラインを駆り、残り7時間という終盤に向けてラップをリードしていた。
ところが回線の切断によりレースから弾き出されてしまい、復帰したものの1周遅れの17番手にまで後退するトラブルに見舞われ、チーム・レッドラインは残り5時間半というところで1号車をリタイヤさせる決断を下した。
レースを終えたフェルスタッペンはイベントの主催者を「無能」と罵り、「イベントと呼ぶのもおこがましい。これは道化ショーだ」と怒りを爆発させ「二度と参戦しない」と吐き捨てた。
フェルスタッペンのシムへの執着はリアルレースと変わらない。
レース週末に向けてのシミュレーター作業はダニエル・リカルドを含むテストドライバーが担当するわけだが、シム愛好家のフェルスタッペンは自ら作業に取り組む意向を示している。
フェルスタッペンは「Speedweek」とのインタビューの中で「他のチームのようにテストドライバーにシミュレーターセッションを任せたくないんだ。誰もが自分のドライビング・スタイルを持っているわけだからね。僕は自分でやりたい」と語った。
「集中力を維持するのに役立つんだ。他にやれることもないし、家にいる時はシムレースをやって楽しんでる」
フェルスタッペンは2020年に仏ダッソー社のビジネスジェット「ファルコン900EX」を購入。ブラックとオレンジのマット塗装に塗り替えた。
これはヴァージン・アトランティック航空の創設者リチャード・ブランソン卿が所有していたものを譲り受けたとされている。