大混乱のベルギーGPが生んだ様々なF1史上記録:レッドブル、V6勝利数でホンダがルノーに…跳馬は奇妙なW入賞

赤旗中断を示すシグナルとスパ・フランコルシャンのマーシャル達、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにてCourtesy Of Alfa Romeo Racing

3時間27分071秒に及ぶ長時間決戦であったのとは対照的に、レース距離としては1991年の14周、53kmでの争いとなったオーストラリアGPよりも更に短いF1史上最短の1周レースとなり、これに伴い史上6回目のハーフポイントが適用された。

過去には、事故により4名の観客が死亡して打ち切りとなった1975年のスペインGP、マーク・ダナヒューとマーシャル1名が死亡したプラクティスを経て、大雨途中中止となった同年のオーストリアGP、雨による31周打ち切りレースとなった1984年のモナコGP、同じく雨で14周レースとなった1991年のオーストラリアGP、そして31周のウェットレースとなった2009年のマレーシアGPがハーフポイントレースとして記録されている。

なおレースディスタンスとしてはスパ・フランコルシャンの全長7,004mよりも更に短い6,880mとなった。これはスタート及びフィニッシュライン間に124mのオフセットが設けられていたためだ。

ポールシッターのマックス・フェルスタッペンは1周6,880mレースを3分27秒071でトップフィニッシュした。時速換算で119.611kmだった。最下位20位フィニッシュのランス・ストロールは時速98.606kmと2桁に留まった。

ホンダにとっては、マクラーレンのアイルトン・セナとゲルハルト・ベルガーが1-2フィニッシュを決めた1991年以来のスパでの勝利となった。

レッドブルは1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジン時代以降、ルノーと共にした100戦で12勝を挙げているが、日本のエンジンメーカーとの共闘50戦目の節目となったこの日の勝利によって、ホンダとの勝利数はルノーと同じ12勝に達した。

レコノサンスラップ中のクラッシュを経て、一時はセルジオ・ペレスの出走が危ぶまれたが、チームがフェルスタッペン側のメカニックまでをも駆り出して修復作業に取り組んだ事で、この日のレースは史上11回目のリタイア0台レースとなった。

1度もグリーンフラッグが振られなかったためコース上でのオーバーテイクが不可能であったにも関わらず、ダブル予選Q2敗退のフェラーリ勢がダブル入賞を果たすという奇妙なレースでもあった。

シャルル・ルクレールは予選11番手、カルロス・サインツは13番手であったが、バルテリ・ボッタス(8番手)が前戦事故のペナルティで、またQ3で大クラッシュを喫したランド・ノリス(10番手)がギアボックス交換で各々5グリッド降格した事に加えて、ペレス(7番グリッド)がピットレーンスタート扱いとなって最後尾に転落したため、ルクレールは8位、サインツは10位フィニッシュという結果となった。

なおベルギー生まれのオランダ人ドライバー、フェルスタッペンにとっては次戦オランダGPで優勝を果たすと、2週連続母国レースウィナーとなる可能性がある。

F1ベルギーGP特集

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