フェラーリ逆転の1-2で”王座争い”へ、RBローソン9位も角田は「ミス」を経て14位 / F1アメリカGP 2024《決勝》結果と詳報

表彰台に立つ2位カルロス・サインツ(フェラーリ)と優勝したチームメイトのシャルル・ルクレール、2024年10月20日(日) F1アメリカGP決勝レース(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年FIA-F1世界選手権第19戦アメリカGP決勝レースが現地10月20日にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われ、シャルル・ルクレールが今季3勝目を挙げ、カルロス・サインツと共にフェラーリの1-2フィニッシュを達成した。角田裕毅(RB)はスピンを喫する「ミス」を犯して14位に終わった。

ポールポジションでランキング2位のランド・ノリス(マクラーレン)は、最前列2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)との激しいバトルの末、5秒ペナルティを受け、3位表彰台を逃した。

レースは1周目のターン1から大きく動いた。フェルスタッペンはノリスのインに飛び込みサイド・バイ・サイドでコーナーに進入した。アウト側に膨らんだトップ2台の隙をつき、4番グリッドのルクレールがトップに浮上。これに、フェルスタッペン、サインツ、ノリスの順で続いた。

後方ではアレックス・アルボン(ウィリアムズ)とエステバン・オコン(アルピーヌ)が接触。後者はスピンして最後尾に転落した。

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スタート直後のターン1でリードを奪うシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2024年10月20日(日) F1アメリカGP決勝レース(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)

2周目には、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がターン18で単独スピンを喫してグラベルに捕まり、セーフティーカー(SC)が導入された。SC導入は10レース前のカナダGP以来初。ルクレールはリスタート時にフェルスタッペンの猛攻を受けるもリードを維持した。

SC導入を機に、多くが1ストップを目指して第1スティントを引っ張る中、3番手のサインツが21周目にハードタイヤに交換。この早期のピットストップにより、2番手フェルスタッペンをアンダーカットした。サインツはその後、チームメイトとの差をジワジワと削ったが、ルクレールが8.562秒差のトップチェッカーを受けた。

ミハエル・シューマッハとフェリペ・マッサが組んだ2006年のインディアナポリスGP以来、米国での初の1-2を飾ったことでフェラーリは、首位マクラーレンとの差を48ポイントに縮めた。ルクレールは、「今もタイトル獲得を狙っている。まだ先は長い。3連戦で良いスタートが切れた」と語った。

優勝争いがフェラーリ勢に絞られる中、タイトル争いの2人は激しい3位争いを繰り広げた。第2スティントで6周分フレッシュなタイヤを履いたノリスは、DRSを使って何度もオーバーテイクを仕掛けたが、見事なディフェンスの前に決定的なチャンスを作り出せなかった。

そして迎えた52周目のターン12でノリスは、コース外からフェルスタッペンを追い抜き3位でチェッカーを受けるも、5秒ペナルティが科されたことで、フェルスタッペンがコンマ9秒差で表彰台を確保した。

13番グリッド以降の奇数列に並んだリアム・ローソン(RB)を含む4台と、Q3でのクラッシュに伴うマシン修復によりピットレーン・スタートとなったジョージ・ラッセル(メルセデス)はハードを、その他はミディアムをスタートタイヤに選んだ。結果的には、ハードスタート勢の内の3台がトップ10圏内でチェッカーを受けた。

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2024年F1アメリカGP決勝レースのドライバー別タイヤ戦略表、2024年10月20日サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1アメリカGP決勝レースの気温および路面温度の変化グラフ、2024年10月20日サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)

ノリスとともに第1スティントを引っ張り、レース後半に焦点を置いたオスカー・ピアストリは、ノリスから1秒差の5位フィニッシュを果たした。ピットレーンからの追い上げを成功させたラッセルはセルジオ・ペレス(レッドブル)を抑えて6位を獲得した。

ニコ・ヒュルケンベルグは今季ベストの8位フィニッシュで母国レースを迎えたハースに大量4ポイントを持ち帰り、ハードスタートのフランコ・コラピント(ウィリアムズ)は10位入賞を果たした。

角田裕毅はオープニングラップを経て、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)とペレスを交わして8番手に浮上。幸先の良いスタートを切ったが、17周目にペレスにポジションを奪われた後、18周目という早い段階でハードに履き替えた。

27周目にアレックス・アルボン(ウィリアムズ)を交わしたが、コース外に追いやったとして5秒ペナルティを受け、11番手を走行していた41周目のターン1で単独スピンを喫して14位に後退し、このポジションでレースを終えた。

スピンについて、クルマを降りた角田裕毅は「間違いなく僕のミスでした」と語った。また、タイヤ戦略に関して疑問を呈した。

一方でRBのチームメイト、19番グリッドのローソンは、1周目を経て一気に14番手に浮上すると、アストンマーチン勢を次々と攻略し、18周目にポイント圏内10番手にまでポジションを上げた。

第1スティントを36周目まで引っ張ると、その18周前にピットストップを消化した角田裕毅の前、12番手でコースに復帰。フレッシュなミディアムタイヤの優位性を活かし、39周目にピエール・ガスリー(アルピーヌ)を交わすと、コラピントのピットインにより9番手に浮上し、RB復帰戦でキャリア最高位タイとなる9位入賞を果たした。

2024年F1第19戦アメリカGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 56 1:35:09.639 25
2 55 カルロス・サインツ フェラーリ 56 +8.562s 18
3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 56 +19.412s 15
4 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 56 +20.354s 12
5 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 56 +21.921s 10
6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 56 +56.295s 8
7 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 56 +59.072s 6
8 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 56 +62.957s 4
9 30 リアム・ローソン RB ホンダRBPT 56 +70.563s 2
10 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 56 +71.979s 1
11 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 56 +79.782s 0
12 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 56 +90.558s 0
13 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 55 +1 lap 0
14 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 55 +1 lap 0
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 55 +1 lap 0
16 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 55 +1 lap 0
17 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 55 +1 lap 0
18 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 55 +1 lap 0
19 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 55 +1 lap 0
NC 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温29℃
路面温度42℃
周回数56

セッション概要

グランプリ名 F1アメリカGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
設立 2012年
全長 5516m
コーナー数 20
周回方向 反時計回り

F1アメリカGP特集

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