衝撃クラッシュ、”遅れて反応”したストロールに3グリッド降格…ただしアロンソはレーシングアクシデント見解
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F1アメリカGPのスチュワードは10月23日(日)で発生したフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が絡む衝撃的なクラッシュを経て、ランス・ストロール(アストンマーチン)に次戦メキシコGPで3グリッド降格ペナルティを科す裁定を下した。
セーフティーカーからのリスタート直後の22周目、7番手争いを繰り広げていた両者はバックストレートを高速走行中に接触。唖然とする大事故が発生した。
ストロールのスリップストリームを受けアストンマーチンAMR22の背後についたアロンソは、追い抜きのために左側へと進路を変更。その直後にストロールが左に動いた事で、アロンソはストロールのリアに乗り上げた。
アルピーヌA522は宙に浮いた後、激しく地面に落下。ストロールの方はスピンを喫してバリアに激突し、破損したパーツがコース一面に飛び散った。
レース後、ギャリー・コネリーら4名から成る競技審判団は両ドライバーおよび両チーム代表者からの聴取、並びに証拠映像を検証の上、ストロールに3グリッド降格ペナルティと2点のペナルティポイント(累積5点)を科す裁定を下した。
一件についてスチュワードは、ストロールの動きがアロンソのオーバーテイクに対する「遅れた反応」である事は「明白」であり、衝突の責任は「圧倒的に」ストロールにあると説明した。
衝撃的なクラッシュであったにも関わらず、レースを続行して7位入賞を果たしたアロンソは、2023年シーズンより新たなチームメイトとなるストロールとの一件について、レーシングアクシデントだと考えを示した。
「同時に左側に動いた事が全ての引き金になった。あれは誰にとっても不運な出来事だったと思う」とアロンソ。
「僕らはレースディレクター達とは異なる見方で一件を見ている。300km/hという世界はコンマ1秒が200mの違いを生む。スロー再生すれば確かに彼が僕より若干遅く動いたように見えるだろうけど、現実には程度の差こそあれ同じタイミングで動いたように見えるはずだ」
なおストロールの方は、仕掛けられる事を想定して十分なスペースを残していたとした上で、アロンソは「もっと早く動くか、もっと左に寄ることもできたはずだ」と主張している。
10月23日(日)にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われた2022年F1第19戦アメリカGPの決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンが今季13勝目を上げ、レッドブル・レーシングが9年ぶりのコンストラクターズ選手権制覇を成し遂げた。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコGPは10月28日のフリー走行1で幕を開ける。