エイドリアン・ニューウェイの引き抜きに失敗した2つのF1チーム
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レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はF1マイアミGPの週末、最高技術責任者(CTO)を務めるエイドリアン・ニューウェイとの契約を更新した事を明らかにしたが、このF1界のレジェンドデザイナーは少なくとも2つのライバルチームから勧誘を受けていたようだ。
新世代グランドエフェクトカー時代におけるレッドブルの競争力は支配的と呼ぶに相応しい。2023年型「RB19」は5戦5勝と文字通りの無敵を誇る。第5戦マイアミGPでは9番グリッドに着いたマックス・フェルスタッペンが風の如き速さでフィールドを駆け上がり、今季3勝目を飾った。
パドックにおけるニューウェイの評価は更に揺るぎないものとなり、今シーズン末にレッドブルとの契約が切れる64歳のイギリス人エンジニアを巡っては当然、引き抜きを画策したチームがあった。
独「F1-Insider」によるとメルセデスのトト・ウォルフ代表は、かつてレッドブルに所属していた個人秘書の一人を通してコンタクトを取った。だがニューウェイは丁重にこれを断り、レッドブルの契約書にサインしたという。
シルバーアローは8年連続でコンストラクターズ選手権を制覇してきたものの、新たな技術レギュレーションが導入された2022年に王座から陥落。今季もディフェンディング王者のレッドブルに対して遠く及ばぬ状況が続いている。
報道によるとメルセデスの試みについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「ミスター・ウォルフは、自分の部下が自分たちのマシンの問題を解決できるという自信がないのかもしれない」と皮肉った。
光明を見いだせずに苦悩するメルセデスは最近、マイク・エリオットに代えてジェームズ・アリソンをテクニカルディレクターとして現場復帰させた。
もう一つのチームはスクーデリア・フェラーリだ。かつてニューウェイの獲得を目論んだマラネッロの上層部は今回も、レッドブルの競争力を削ぎ、自らのパフォーマンスを引き上げるべく、空力の鬼才にアプローチしたものと見られている。