角田裕毅:レッドブル昇格の現実「F1で最も難しい仕事」とホーナー、一方で「驚き」の成長を評価し期待を寄せるRBメキーズ
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角田裕毅の昇格の可能性についてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、シーズン終了後に総合的な観点から評価すると説明すると同時に、角田裕毅が求めているのは現在のF1において「最も難しい仕事」だと強調した。
2024年のセルジオ・ペレスはシーズンを通してパフォーマンスが低迷しており、常に後任候補が取り沙汰されるプレッシャーに直面している。
シーズン当初はダニエル・リカルドが後任有力候補とされていたが、そのリカルドはシートを失った。すると、代わってRBに加わったリアム・ローソンや、ウィリアムズで印象的なデビューを果たしたフランコ・コラピントの名前が取り沙汰された。
しかしながら、シーズン終盤に差し掛かり、ローソンのパフォーマンスが低下し、コラピントにクラッシュが相次ぐと、今度は過去2年に渡ってチームメイトをシート喪失に追い込んできた角田裕毅が急速に注目を集め始めた。
角田が狙うは「F1で最も難しい仕事」
英The Raceによるとホーナーは、角田裕毅がペレスの後任候補として検討される可能性について問われると、スピードや経験、ミスの減少を評価しつつも、最終的な決定には「あらゆる要素」が影響すると指摘した。
「スピードに関して、彼が速いことは分かっている。今では経験も積み、ミスも減ってきた。だが、如何なるドライバーの決定においても、あらゆる要素が考慮される。シーズン終了後にすべてを評価し、決断を下すつもりだ」とホーナーは説明した。
ただし、角田裕毅の昇格が検討され得るのは、ペレスの解雇が前提であり、ペレスの続投が決定されればレッドブルのシートに空きはない。
ホーナーは「最優先事項は、セルジオの進路を理解することだ」と強調した上で、4度のF1ワールドチャンピオンの隣のガレージで戦うことは、誰にでも務まる仕事ではないと指摘した。
「そしてもちろん、忘れてはならないのは、マックス(フェルスタッペン)のチームメイトであるというプレッシャーを受けることは、おそらくF1で最も難しい仕事であるということだ」とホーナーは語った。
RBメキーズ:成長を評価し昇格に期待
ホーナーが依然として慎重な姿勢を崩さない一方、RBのローラン・メキーズ代表はF1カタールGPのFP1を経て、角田裕毅は次のキャリアに向けてステップアップする準備が整っているとの考えを示した。
一貫性の欠如や技術的フィードバックの質、無線でのやり取りを含めた気性を理由に、レッドブル首脳陣が角田裕毅を懐疑的に見ているのは妥当だと思うか?と問われたメキーズは、これに直接回答せず、4シーズン目に角田裕毅が見せた飛躍的な成長を指摘した。
「思うに私から言えるのは、彼が今年成し遂げた進歩は誰にとっても驚きだったということだ。それがレッドブル・レーシングにとっても驚きであることを願っている」とメキーズは語った。
「F1では誰もが結果を重視する。そして、ドライバーが期待以上のパフォーマンスを発揮し始めると、誰もがすぐに意見を変える。ユーキにとっては、コース上で超ハイレベルなパフォーマンスを発揮し続けることが何より重要だ」
「シーズンを通してこれだけのポイントを稼ぎ、直近2のレースで予選3番手や7番手を記録してきたドライバーであることを考えれば、当然、より速いクルマに乗る準備はできていると思う」
ポストシーズン・テストでのチャンス
角田裕毅は最終アブダビGP後にヤス・マリーナ・サーキットで行わるポストシーズン・テストで初めてレッドブルRB20をドライブする。
このテストについてメキーズは、昇格を目指す角田裕毅にとってだけでなく、若手育成のためのインキュベーターとしての役割を担うRBにとっても「非常に重要」な意味を持つと指摘し、次のように続けてテストでの角田裕毅のパフォーマンスに期待を寄せた。
「彼がテストを受けられることなって本当に嬉しく思っているし、良いパフォーマンスを発揮してくれると信じている」