角田裕毅、寝耳に水のトスト退任「何も言ってなかった」3年に渡る”信頼”に報いるべく決意新たに

マイクを握る角田裕毅(アルファタウリ)、2023年4月27日のF1アゼルバイジャンGP木曜記者会見にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

フランツ・トストが2023年末限りでスクーデリア・アルファタウリのチーム代表を退任するという知らせは角田裕毅にとって、寝耳に水の「本当に驚くべきニュース」だった。

第4戦アゼルバイジャンGPを前にアルファタウリは、今季最終アブダビGPを以てトストが代表の座を退き、その後任としてフェラーリからローラン・メキースを迎え入れると発表した。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

スターティンググリッドで作業の様子を見守るスクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表、2022年8月28日F1ベルギーGP決勝レース

これは、トストがチームを去れば「チーム内での居心地が悪くなったり、テンションが下がったりするかもしれない」と角田裕毅が懸念していた矢先の出来事だった。

退任の知らせについて角田裕毅はバクー市街地コースでの週末に先立ち「本当に驚くべきニュースでした」と述べ、全く予想だにしていなかったと明かした。

「そのニュースの5日前に彼と昼食を共にしたのですが、その事について何も言っていなかったのでビックリしました。シーズン初めの頃から既にいろいろな噂が流れていましたが、それが現実になってしまいました」

この決定は、オーストリアのハンガー7で行われたレッドブル社の企業プロジェクト・新規投資部門CEOを務めるオリバー・ミンツラフとレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコ、そしてトストによる3者会談の場で下された。

Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表を会話する角田裕毅、2020年11月4日イモラテストにて

トストは角田裕毅にとって、全力で自身をサポートしてくれる父のような、あるいは祖父のような存在であり、相次ぐクラッシュやミスにより批判を浴びた時期においてさえ、自身の「速さを信頼し続けてくれた」F1パドックにおける最大の理解者の一人だった。

残された週末でトストの期待に沿う結果を出し、素晴らしい形で恩師との最後のシーズンを締め括りたいと角田裕毅は決意を新たにしている。

「まだ19レースが残っていますので、彼のためにポジティブな形でシーズンを終え、彼を喜ばせてあげられればと思っています」と角田裕毅は語る。

「もちろん、そのためには開発の面で頑張る必要がありますが、僕らにはそれを実現させるための意欲的な計画がありますし、楽しみにしています」

「3年間に渡って僕のスピードを信頼し、いつも僕の側で支えてくれた彼には本当に感謝しています。これからのレースでそれに報いる事ができるよう頑張っていくつもりです」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

スクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表と角田裕毅、2022年7月1日F1イギリスGPにて

気持ち新たに臨む初戦はアルファタウリが過去2年に渡って「非常に高い競争力」を発揮してきた半モンツァ、半モナコとも称されるバクーでのアゼルバイジャンGPだ。

角田裕毅は開幕3戦と比べてバクーのコース特性はAT04に「合っていると思う」として「今のところは楽観的な気分です」と続けた。

「ポイントを獲得するのは難しいと思いますが、ここでは何が起こるか分かりません。それに新しいスプリント予選フォーマットが導入されるので、すごく楽しみにしています」

「特に土曜日は、起きて朝食を食べたら、そのまますぐに予選ですので、本当にワクワクしていますし、待ちきれませんね」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

2023年4月27日、F1アゼルバイジャンGPの開幕を前にスクーターを持ってパドックを歩く角田裕毅(アルファタウリ)

F1アゼルバイジャンGP特集

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