ルクレールPP!フェルスタッペン、DRSトラブルで最終計測叶わず…角田は奮闘虚しく / F1スペインGP《予選》結果とダイジェスト

予選を終えてグリッド上に停められたマックス・フェルスタッペンのレッドブルRB18とフェラーリF1-75、2022年5月21日F1スペインGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

2022 FIA-F1世界選手権6戦スペインGPの公式予選が5月21日にカタロニア・サーキットで行われ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を下して通算13回目のポールポジションを獲得した。

ルクレールはQ3での1回目の計測ラップの際に、最終シケインでスピンを喫するミスを犯して劣勢に追い込まれたものの、ラストチャンスの最終アタックを見事にまとめて1分18秒750をマーク。今季4度目のポールを手にした。

Courtesy Of Ferrari S.p.A.

カタロニア・サーキットのターン1を駆け抜けるスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール

フェルスタッペンは暫定ポールを懐に最終計測に向かったものの、アウトラップで「パワーを失った」と報告。計測ラップに入れず、1回目のタイムが2番手となった。

前戦マイアミではチームメイトがレース中にセンサートラブルでパワーダウンに見舞われた。ただチーム代表のクリスチャン・ホーナーによると、今回はエンジンではなくDRSの問題だった。

「実際にはパワーは失われていなかった。DRSが開かなかったんだ」とホーナーは説明した。

「ピットに戻った際のバックストレートでは開いていたから、何が原因だったのか理解するためにクルマを調べてみる必要がある」

「ただ今日の我々には、シャルルのあのラップに勝てるほどの力はなかったように思う」

3番手はカルロス・サインツ。母国レースで堅実に仕事をやり遂げた。同じく地元観衆の期待を背負ったフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は17番手と、まさかのQ1敗退を喫した。

メルセデスはやはりトップ2チームには届かず、ジョージ・ラッセルがコンマ6秒落ちの4番手、ルイス・ハミルトンが6番手という結果となったが、レッドブルのもう一台、セルジオ・ペレスを5番手に退けてみせた。

初日にエンジントラブルに見舞われ後退を余儀なくされたアルファロメオのバルテリ・ボッタスは、昨年までのチームメイト、ハミルトンに対して1000分の96秒差に迫る7番手と、今回も見事な走りを披露した。

アップグレードなしに週末を迎えたハースはケビン・マグヌッセンが8番手、ミック・シューマッハが10番手と、ダブルQ3進出を果たした。間にはダニエル・リカルド(マクラーレン)が挟まれた。

ホンダF1パワーユニット技術を使うアルファタウリはダブルQ2敗退に終わった。角田裕毅は僚友ピエール・ガスリーを0.222秒差で上回ったが、Q3にはコンマ2秒及ばず、13番手でクルマを降りた。

予選Q1:アストンマーチンがW敗退

直前のFP3に引き続き現地バルセロナは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温34.5℃、路面47.9℃、湿度21%、気圧1003.5hPaのドライコンディションでスタートした。

公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード(白色)にC1、ミディアム(黄色)にC2、ソフト(赤色)にC3コンパウンドを投入した。

ハースはブレーキ・バイ・ワイヤーのトラブルにより発生したFP3での火災を経て、ミック・シューマッハのギアボックス、サスペンション、リアブレーキを変更。セッション開始に間に合わせた。

アルファタウリ勢は1回目の計測が共にトラック・リミットとなりタイムが抹消された。結局新品ソフトを3セットを使う羽目になったが、角田裕毅は12番手、ガスリーは13番手でQ2に駒を進めた。

類似デザインで物議を醸すアストンマーチンはセバスチャン・ベッテルが16番手、ランス・ストロールが18番手と、アップグレード投入にも関わらずダブルQ1敗退という非常に厳しい結果に終わった。無線でノックアウトの事実を知らされたベッテルは「冗談だろ」とこぼした。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:19.861 3
2 カルロス・サインツ フェラーリ 1:19.892 + 0.031 3
3 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:20.091 + 0.230 3
4 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:20.218 + 0.357 5
5 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:20.227 + 0.366 6
6 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.252 + 0.391 6
7 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:20.355 + 0.494 6
8 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:20.447 + 0.586 5
9 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:20.476 + 0.615 9
10 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:20.549 + 0.688 6
11 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:20.683 + 0.822 6
12 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:20.707 + 0.846 9
13 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:20.719 + 0.858 9
14 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:20.838 + 0.977 6
15 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:20.880 + 1.019 3
16 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:20.954 + 1.093 6
17 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:21.043 + 1.182 5
18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:21.418 + 1.557 6
19 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:21.645 + 1.784 6
20 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:21.915 + 2.054 9

予選Q2:転げ降りたノリスと救われたシューマッハ

フェラーリ勢とアルファタウリ勢、フェルスタッペンと周冠宇は1セット目に中古を履いた。

ランド・ノリス(マクラーレン)は最終アタックで10番手タイムを刻むも、ターン12のトラック・リミットで11番手に後退となり、代わってシューマッハがQ3に進出した。

角田裕毅は僚友ガスリーを0.222秒差で上回ったがQ3にはコンマ2秒及ばず、13番手でクルマを降りた。

予選Q3:ルクレールの大逆転劇

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、ルクレールが1本目の最終シケインでリアを滑らせスピン。今年は影を潜めていたが、ルクレールは元々、ミスが少ないドライバーではない。

これを横目にフェルスタッペンは1分19秒073の暫定ポールを刻み、後続サインツにコンマ35秒差をつけた。ペレス、ラッセルがこれに続いた。

バンカーラップなしと劣勢に追い込まれたルクレールであったが、最終ラップをミスなく完璧にまとめ上げ、後続にコンマ3秒以上のギャップを築いた。

2022年 F1スペイングランプリ決勝レースは、日本時間5月22日(日)22時にスタート。1周4675mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。

2022年F1第6戦スペインGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:19.861 1:19.969 1:18.750 12
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:20.091 1:19.219 1:19.073 16
3 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:19.892 1:19.453 1:19.166 16
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:20.218 1:19.470 1:19.393 14
5 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:20.447 1:19.830 1:19.420 17
6 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.252 1:19.794 1:19.512 15
7 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:20.355 1:20.053 1:19.608 18
8 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:20.227 1:19.810 1:19.682 18
9 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:20.549 1:20.287 1:20.297 15
10 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:20.683 1:20.436 1:20.368 18
11 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:20.838 1:20.471 12
12 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:20.880 1:20.638 9
13 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:20.707 1:20.639 15
14 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:20.719 1:20.861 15
15 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:20.476 1:21.094 15
16 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:20.954 6
17 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:21.043 5
18 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:21.418 6
19 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:21.645 6
20 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:21.915 9

コンディション

天気晴れ
気温34.5℃
路面温度47.9℃

セッション概要

グランプリ名 F1スペインGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 カタロニア・サーキット
設立 1991年
全長 4657m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1スペインGP特集

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