ボッタスが跳馬抑えて最速発進、ホンダ勢はガスリーの8番手が最上位 / F1スペインGP《FP1》結果とダイジェスト

ピットレーンからコースへと向かうレッドブル・ホンダRB15、2019年F1スペインGPフリー走行1copyright Red Bull Content Pool

シーズン5戦目となるF1世界選手権スペインGPが、現地5月10日にバルセロナ近郊に位置するカタロニア・サーキットで開幕を迎え、日本時間同日18時から金曜1回目のフリー走行が行われた。グランプリ一発目のセッションを制したのは、選手権をリードするメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。1分17秒951のトップタイムを記録した。

2番手は、スペック2エンジンを搭載したスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。ボッタスには0.115秒届かなかった。3番手は同0.221秒差でシャルル・ルクレール。低速の第3セクターでフェラーリを上回ったメルセデスW10がアドバンテージを稼いだ。ルイス・ハミルトンはリアタイヤのグリップ不足を訴え、4番手と今一つ納得のいかない出だしとなった。

ホンダエンジン勢は、レッドブルのピエール・ガスリーが8番手で最上位。トップとのギャップは1.334秒と大きいが、ボッタスが最も柔らかいソフトでタイム計測したのに対して、ガスリーは一段階硬めのミディアム。コンパウンド差を補正すれば、まずまずのタイムを残したと言える。

ガスリーに対して1000分の79秒差の9番手に迫ったのは、最多周回数となる34ラップを走り込んだトロロッソのダニール・クビアト。チームメイトのアレックス・アルボンは15番手という結果となった。マックス・フェルスタッペンはパワーユニットのオイルリークに見舞われ、走行僅か14周の12番手。時計の針が90分を指す前にクルマを降りた。

3強の争いはメルセデスが一歩先行したかに思われたが、最速を刻んだボッタスのマシンに油圧関連の問題が発生。エンジンを保護するためにセーフモードが起動し、周回数としては見劣りする19ラップに終わっている。

金曜午前の現地バルセロナは快晴に恵まれ、セッションは気温22℃、路面温度31℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは、タイヤへの入力が厳しいカタロニアにC1からC3の最も硬い3種類のコンパウンドを持ち込んだ。

スペインGPのFP1は、全21戦で構成されるF1カレンダーの中で最も重要なプラクティスセッションとされる。その理由は、全てのチームが大規模なアップグレードを投入する点にある。各チームは週末の準備ではなく新パーツの評価に時間を割き、シーズン中盤以降の勢力図を占うターニングポイントと位置づけられる。

ミッドフィールド最速をマークしたのはハース。比較評価のために2台のマシンの仕様を分け、ロマン・グロージャンにのみアップグレードパッケージを投入。ケビン・マグヌッセンは開幕前テスト時と同じ旧仕様のクルマを走らせた。

ハース今季初のアップグレードはフロアやバージボード全体に及び、フロントウイングも一新。グロージャンはソフトタイヤで5番手タイムを記録し、7番手マグヌッセンにコンマ6秒の大差を付けた。

新型パワーユニットの評価のためと推測されるが、ルノーはダニエル・リカルドのマシンにのみスペック2エンジンを搭載。エアロとエンジンの両方のアップグレードを搭載したリカルドであったが、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグに1000分の61秒届かず11番手に終わった。

セッション終了間際には、レーシングポイントのランス・ストロールがクラッシュ。新型のフロントサスペンションをはじめとする貴重な新パーツを破損し、セッションは赤旗中断のままチェッカーフラッグを迎えた。ストロールは13番手、チームメイトのセルジオ・ペレスは17番手に終わった。

2018年F1第5戦スペイングランプリ2回目のフリー走行は、日本時間5月10日(金)22時から1時間半の日程で開催される。

2019年F1第5戦スペインGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:17.951 19
2 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:18.066 +0.115 20
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.172 +0.221 20
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:18.575 +0.624 22
5 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:18.943 +0.992 25
6 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:19.155 +1.204 31
7 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:19.180 +1.229 27
8 10 ピエール・ガスリー レッドブル・ホンダ 1:19.285 +1.334 30
9 26 ダニール・クビアト トロロッソ・ホンダ 1:19.364 +1.413 34
10 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 1:19.450 +1.499 25
11 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:19.511 +1.560 24
12 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:19.844 +1.893 14
13 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:19.855 +1.904 28
14 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:20.021 +2.070 28
15 23 アレックス・アルボン トロロッソ・ホンダ 1:20.030 +2.079 25
16 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:20.066 +2.115 33
17 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:20.459 +2.508 26
18 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:20.591 +2.640 22
19 88 ロバート・クビサ ウィリアムズ・メルセデス 1:20.889 +2.938 27
20 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:20.990 +3.039 23

コンディション

天気晴れ
気温22℃
路面温度31℃

セッション概要

グランプリ名 F1スペインGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 カタロニア・サーキット
設立 1991年
全長 4657m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1スペインGP特集

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