大方の予想を裏切り跳馬ルクレールが3戦連続PP / F1シンガポールGP《予選》結果とダイジェスト

夜のマリーナベイ・ストリート・サーキットを走行するフェラーリのシャルル・ルクレールCourtesy Of Ferrari S.p.A.

2019年FIA F1世界選手権 第15戦シンガポールGPの公式予選が9月21日にマリーナベイ市街地コースで行われ、大方の予想を裏切り、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが3戦連続のポールポジションを獲得した。

事前予想でコンテンダーに挙がっていたメルセデスAMG勢は、ルイス・ハミルトンがコンマ2秒落ちの2番手、バルテリ・ボッタスがコンマ9秒落ちの5番手に留まった。伝統的にシンガポールで強さを見せてきたレッドブル・ホンダ勢も跳馬の前に完敗。マックス・フェルスタッペンがコンマ6秒落ちの4番手、アレックス・アルボンは1.1秒落ちの6番手という結果となった。

ビッグサプライズだった。ルクレールと同じフェラーリSF90を駆ったセバスチャン・ベッテルもコンマ2秒落ちの3番手。低速コーナーがアキレス腱であったフェラーリ勢が突如大躍進を果たし、ライバル勢に大きなショックを与えた。ハミルトンは「フェラーリの今日の速さは謎」と困惑した様子を見せた。


© Getty Images / Red Bull Content Pool

マリーナベイ市街地コースは、23個ものコーナーで構成される市街地コースで、90度に曲がる直角の低速コーナーが多くコース幅も狭い。ダウンタウン・コアに仮設された特設コースは、人工照明によって闇夜に浮かび、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温30℃、路面35.3℃、湿度64.3%のドライコンディションでスタートした。

FP3でオイル漏れトラブルに見舞われたダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)は、予選での走行を確実なものとすべくパワーユニット一式を交換。セルジオ・ペレス(レーシングポイント)はクラッシュによって破損したギアボックスを交換して予選に臨んだ。公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジ(C3~C5)のコンパウンドを投入した。

予選Q1:クビアトが早くもノックアウト

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、メルセデス勢が唯一ミディアムタイヤでコースイン。2セット目ではソフトに履き替え、トップタイム通過を果たした。

ランス・ストロール(レーシングポイント)は19・21コーナーで連続して壁に接触。17番手でノックアウトを喫した。ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)は1000分の15秒差でQ2進出を逃し16番手に終わった。

ハース勢はチーム内で明暗が分かれ、ケビン・マグヌッセンがギリギリ15番手で突破を果たした一方、ロマン・グロージャンは18番手で敗退した。

ノックアウト

  • 16位:ダニール・クビアト
  • 17位:ランス・ストロール
  • 18位:ロマン・グロージャン
  • 19位:ジョージ・ラッセル
  • 20位:ロバート・クビサ

予選Q2:ライコネンが壁に接触

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2は、メルセデス勢が先陣を切る形でスタート。唯一トラフィックの影響なくラップを走ったハミルトンが暫定トップを刻むも、第1セクターで圧倒的な速さを誇るフェラーリSF90のルクレールが、これをコンマ1秒を上回りタイムシート最上位につけた。

キミ・ライコネン(アルファロメオ)は1セット目のアタックの際に壁と接触。クルマにダメージはなく、無事に2セット目のアタックに出るも14番手に終わり、チームメイトのアントニオ・ジョビナッツィに先行を許した。

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)は1セット目を終えて、突破ラインまでコンマ1秒差の12番手。Q3進出に向けて最終アタックに臨んだものの、自己ベストを更新することは出来ず13番手に終わった。ダブルQ3進出に期待がかかったトロロッソであったが、1台もトップ10圏内に進める事が出来なかった。

ミッドフィールドは熾烈な争いとなり、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)は100分の4秒という僅差でQ3進出を逃した。

ノックアウト

  • 11位:セルジオ・ペレス
  • 12位:アントニオ・ジョビナッツィ
  • 13位:ピエール・ガスリー
  • 14位:キミ・ライコネン
  • 15位:ケビン・マグヌッセン

予選Q3:事前予想を覆す衝撃の結末

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3。1セット目のランで先陣を切ったベッテルが、第1・第2セクターでファステストを連発。ターン20では壁をこすりながらも、最終セクターもパープルで繋ぎ1分36秒437の暫定ポールタイムを記録した。

その後アタックに入ったフェルスタッペンは、セクター3での最速をベッテルから奪い去り、コンマ4秒落ちの3番手タイムを記録。1セット目のアタックを終えてフェラーリがワンツーを築き、本命のメルセデス勢は、トップから1秒遅れの4・5番手と大きく遅れた。

最終アタックの先陣を切ったのもベッテル。ポールを目指してタイム計測に入るも、セクター1、セクター2共に自己ベストを上回れずアボート。フィニッシュラインを超えずにピットレーンへと向かった。

その後方からは、ルクレールがセクター1で全体ベストを刻み猛追。最終的にベッテルをコンマ2秒上回り、3戦連続のポールポジションを獲得した。ハミルトンは自己ベストを大きく塗り替えベッテルの前に出るも、ルクレールには僅かに届かず2番手に甘んじた。

ミッドフィールド最速はマクラーレン勢。カルロス・サインツが7番手、ランド・ノリスが10番手とダブルQ3進出を果たしてみせた。ルノー勢も大健闘。週末を通してチームメイトに先行していたニコ・ヒュルケンベルグは、最後にダニエル・リカルドの後塵を拝し9番手。愉快なオージーは8番手タイムを残したが、セッション終了後にMGU-Kの出力違反が発覚し予選失格処分となった。

F1シンガポールグランプリ決勝レースは、日本時間9月22日(日)21時10分にスタート。1周5,063mのマリーナベイ市街地コースを61周する事でチャンピオンシップを争う。

2019年F1第15戦シンガポールGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:38.014 1:36.650 1:36.217 18
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:37.565 1:36.933 1:36.408 19
3 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:38.374 1:36.720 1:36.437 16
4 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:38.540 1:37.089 1:36.813 15
5 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:37.317 1:37.142 1:37.146 18
6 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:39.106 1:37.865 1:37.411 16
7 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:38.882 1:37.982 1:37.818 19
NC 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:39.362 1:38.399 1:38.095 18
8 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 1:39.001 1:38.580 1:38.264 18
9 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:38.606 1:37.572 1:38.329 19
10 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:39.909 1:38.620 14
11 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:39.272 1:38.697 14
12 10 ピエール・ガスリー トロロッソ・ホンダ 1:39.085 1:38.699 12
13 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:39.454 1:38.858 14
14 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:39.942 1:39.650 14
15 26 ダニール・クビアト トロロッソ・ホンダ 1:39.957 7
16 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:39.979 8
17 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:40.277 8
18 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:40.867 7
19 88 ロバート・クビサ ウィリアムズ・メルセデス 1:41.186 6

コンディション

天気曇り
気温30℃
路面温度35.3℃

セッション概要

グランプリ名 F1シンガポールGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 マリーナベイ市街地コース
設立 2008年
全長 4940m
コーナー数 19
周回方向 反時計回り

F1シンガポールGP特集

この記事をシェアする

モバイルバージョンを終了