シルバーストン、無観客でのF1イギリスGPの2レース開催に合意
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F1イギリスGPの舞台を担うシルバーストン・サーキットのマネージングディレクターを務めるスチュアート・プリングルは5月15日(金)、英国政府の承認を条件として、無観客での2レース開催についてF1側と合意に至った事を明らかにした。
F1は7月5日と12日のレッドブル・リンクでのダブルヘッダーを皮切りにシーズンを開幕させ、その翌週にシルバーストンでも同様の2連戦を計画しているが、先週発表された英国政府による空路入国者に対する新たな隔離措置および、サーキット側との金額交渉の難航が伝えられた事で、開催が危ぶまれていた。
無観客、すなわち現地観戦者を締め出してレースを行う事は、チケット販売による売上の消滅を意味するため、補償なくして現地プロモーターに開催の経済的メリットはない。報道によるとシルバーストンは当初、必要経費などを含めた1,500万ポンド(約19億9,282万円)をF1側に要求していたとされるが、最終的に妥協合意に達したようだ。
スチュアート・プリングルMDは詳細は明かさなかったものの、ロイターに対して両当事者が合意内容に満足していると述べた上で「(実際に開催するためには)政府の承認が必要だ。政府が納得しないのであれば不可能だ」と付け加え、開催に際しての残された障害は当局の判断だと主張した。
先日英国政府より発表されたロックダウンの緩和に関するガイダンスには「無観客での文化的およびスポーツイベントの開催を許可する」と記されているため、問題となるのは14日間の隔離措置の方だ。オーストリアGPの2レース目は7月12日が予定されており、翌週末のシルバーストンまでは7日間しかない。
この政策はイギリスGP以外のレースにも影響を及ぼす可能性がある。F1に参戦する全10チームの内、7チームは英国に本拠を構えており、一旦国外に出てしまうと、シーズン中に急遽ファクトリーへと戻らなければならない事態が発生した場合に、対処できなくなる恐れがある。