ミハエル・シューマッハ、意思疎通に問題「友人としての関係性が変わってしまった」と嘆くジャン・トッド

フェラーリのショールームを訪れたミハエル・シューマッハcopyright Ferrari S.p.A.

ミハエル・シューマッハのフェラーリ時代の上司であり、友人でもあるジャン・トッドがこの程明らかにしたところによると、F1界のスーパースターは以前と同じような形で他者と意思疎通を行う事が出来ないようだ。

7度のF1ワールドチャンピオンは、2013年12月に仏グルノーブルで家族と共にスキーを楽しんでいた際に転倒。頭部に深刻な怪我を負った。一時は医学的な理由によって昏睡状態に置かれるも、事故から半年後に意識が回復。翌年9月以降は自宅へと戻りリハビリに取り組んでいる。

だが、その容態は公式に明らかにされておらず、妻のコリーナや弟ラルフ、そしてマネージャーのサビーネ・ケームら、シューマッハと親しい人々から時折漏れ伝わる僅かな情報だけが頼りといった状況で、悲劇的な事故以来、シューマッハが公の場に姿を見せた事はない。

フェラーリ黄金期と共に作り上げた仲間であるジャン・トッドは、シューマッハとの面会を許された数少ない人間の1人だ。フェラーリを去り、現在FIA会長を務めるトッドは、シューマッハの最新の状況について、Daily Express紙に次のように語った。

「私に言えることは、彼の家族が本当に良く面倒をみているという事と、彼が戦い続けているという事だけだ。だが、当然のことながら我々の友人としての関係性は以前とは変わってしまった」

「かつてと同じようにコミュニケーションを取る事ができなくなってしまったからね」

テストドライバーとしてシューマッハの7冠を支えたルカ・バドエルもまた、面会を許可された限られた人物だ。バドエルによると「シューマッハ家への訪問を許されているのは極一部の人達だけだ。彼の妻のコリーナが許可した人だけが彼に会うことが出来る」との事で、シューマッハのチームメイトであるルーベンス・バリチェロですら、面会が許されていない。

2016年には、シューマッハを訪問した人物がベットに横たわるその姿を写真に収め、欧州のメディアに約100万ドル(約1億円)で販売するという出来事が発生。それ以来、シューマッハ家は一層神経をとがらせている。

今年はシューマッハが最初にタイトルを獲得した年から数えて25年、生誕50年の節目の年で、2019年12月5日にその半生を追った「シューマッハ」と題されたドキュメンタリー映画が公開される予定となっている。

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