ザウバー・ホンダ実現ならず、方向性の相違によりF1提携解消を発表

ザウバーホンダcopyright formula1-data.com

来季のF1に「ザウバー・ホンダ」の名が並ぶ事はなくなった。ハンガリーGP初日前の27日木曜、ホンダF1とザウバーは、2018年からの技術提携計画を解消すると発表した。これにより、ホンダはこれまで通りマクラーレンのみにエンジンを単独供給する事になる。ザウバーからの申し入れによって決定した今回の提携は、ザウバー自身によって消滅した形となった。

ホンダによれば、解消の理由は供給体制を整備する中で双方の目指す方向性に相違が生じたためと言う。ホンダはザウバーにエンジンを供給する代わりに、同社の育成ドライバーをザウバーに乗せる事を望んでいた。本田技研工業株式会社モータースポーツ部長を務める山本雅史は以下の声明を発表した。

「ザウバーとは、供給決定までの過程で非常に良い信頼関係を築くことができており、一緒に2018年シーズンを迎えることを楽しみにしていました。しかし、先方の運営体制の変化などに伴い、互いの目指す方向性に相違が生じたため、双方合意の上でパートナーシップ計画の解消を決定しました」

「これまでの協力に対してザウバーに感謝するとともに、今後の健闘を祈ります。今回、このような発表をしなければいけないことは残念ですが、Hondaのモータースポーツへの情熱と、F1に対する強いコミットメントに変化はありません」

一方のザウバー側は、チーム代表のフレデリック・バスールが以下の声明を発表した。

「この段階でホンダとの提携を解消することは非常に残念ですが、この決定は戦略的な理由から決定が下されました。ザウバーF1チームの将来を念頭に置いた最善の判断です。Hondaとのコラボレーションに感謝し、F1の将来に向けて最高のものをお届けしたいと考えています」

ホンダとザウバーの将来に暗雲が広がるきっかけとなったのは、6月22日のモニシャ・カルテンボーンの辞任だ。小林可夢偉が在籍した頃から長年チーム代表を務めていたカルテンボーンは、チームオーナー側との対立によって事実上解雇された。技術提携の交渉はカルテンボーン在籍時にスタートし、彼女自身がGOサインを出していた。また、カルテンボーンは日本人ドライバーの起用についても前向きな発言を繰り返していた。

後任として着任した元ルノーのバスールは、就任早々ホンダとのパートナーシップを再評価すると明言、両者は今回の契約解消に至った。提携解消発表の翌日28日(金)、ザウバーはスクーデリア・フェラーリとの複数年に渡るパートナーシップ締結を発表した。

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