フェルスタッペン、17番手から11戦ぶり勝利!角田裕毅7位、アルピーヌW表彰台 / F1サンパウロGP 2024《決勝》結果と詳報

表彰台の上で11戦ぶりの勝利を喜ぶマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とアルピーヌのエステバン・オコンとピエール・ガスリー、2024年11月3日(日) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

2024年FIA-F1世界選手権第21戦、サンパウロGPが現地11月3日に行われ、17番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が後続に19.477秒の大差をつけ、6月のスペインGP以来となる11戦ぶりの勝利を飾った。角田裕毅(RB)は今季最高位タイの7位入賞を果たした。

早朝に行われた予選に続いてインテルラゴス・サーキットは雨に見舞われ、69周で争われたレースは2時間を超える長丁場となり、ウィリアムズ勢を含む5台がリタイヤ(失格・DNS含む)し、赤旗と2度のセーフティーカー(SC)が導入される大荒れの展開となった。

Q2敗退を喫し、赤旗を巡るレースコントロールの判断に激怒した予選を経てフェルスタッペンは、1周目に7つ順位を上げて一気にポイント圏内10番手にまで浮上した。

雨脚の悪化に伴い30周目に導入されたSCを機に、大部分がタイヤを交換した一方、アルピーヌ勢とともにステイアウトすると、32周目のフランコ・コラピント(ウィリアムズ)の大クラッシュに伴い赤旗が振られ、一気に2番手にまで順位を上げた。

ステイアウトを進言していたのに耳を貸さなかったとして、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は無線を通して激怒した。

カルロス・サインツ(フェラーリ)がターン8で単独スピンを喫してバリアに激突すると、40周目に2度目のSCが導入された。リスタートと同時にフェルスタッペンは、エステバン・オコンを交わしてラップリーダーに躍り出ると、毎周のようにファステストラップを連発し、満額26ポイントを以て大逆転勝利を飾った。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

リスタートでレースリーダーのエステバン・オコン(アルピーヌA524ルノー)を追い抜くマックス・フェルスタッペン(レッドブルRB20)、2024年11月3日(日) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)

アルピーヌはドライコンディションでこそ競争力を欠いたものの、雨がA524に恵みをもたらし、予選4番手につけたオコンはフェルスタッペン同様、赤旗の恩恵を受けて決定的なアドバンテージを手にし、2位でフィニッシュした。

同じ戦略を採ったピエール・ガスリーも、序盤にリードしたラッセルを抑えて3位と、アルピーヌは誰もが予想し得ない驚きのダブル表彰台に上がった。

過去20戦での獲得ポイントは計16点に及ばなかったが、一気に33点を加え、コンストラクターズ選手権で9位から6位にまで駆け上がった。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1サンパウロGP決勝レースのドライバー別タイヤ戦略表、2024年11月3日

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1サンパウロGP決勝レース中の気温及び路面温度の変化グラフ、2024年11月3日

ランド・ノリス(マクラーレン)の逆転タイトルは大きく遠のいた。予選でポールポジションを獲得したものの、スタートでラッセルにリードを奪われ、僚友オスカー・ピアストリに順位を譲ってもらうも、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に次ぐ6位に終わった。

更に悪いことに、レース後にスチュワードによる調査を受けた。

ランス・ストロール(アストンマーチン)が予選に続き、フォーメーションラップのターン4でバリアに衝突したため、レースコントロールはレースの開始手続きを中断した。

中断を知らせるライトパネルが点灯し、「ABORTED START」のボードが提示され、システムを通じて各チームに対しても、その旨が通知されたにも拘らず、グリッドの先頭に並んでいたノリスは、クルマを発進させてグリッドを離れた。同じく発進したラッセル、角田裕毅、リアム・ローソンも調査を受けた。

ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は、4名ともに競技規則第47条1号に違反したと判断したが、RB勢に関してはお咎めなしとし、ノリスとラッセルには戒告処分(ドライビング)に加えて5,000ユーロ(約82万7,000円)の罰金を科した。

この混乱の結果、本来は不要な非正規のエキストラ・フォーメーションラップが発生し、レースは規定周回数より2周短い69周で争われることとなった。

「スタート中断無視事件」の裁定

Courtesy Of Red Bull Content Pool

フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)をリードする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年11月3日(日) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)

レース中盤を迎えようかというタイミングで雨脚が強まると、27周目にニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がコースアウトしてグラベルに囚われ、バーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。

キャリアベストの予選3番手を記録した角田裕毅は、このタイミングでオコンに交わされ4番手に後退した。ヒュルケンベルグはマーシャルの手を借りてコースに復帰したことで、黒旗失格となった。

ヒュルケンベルグのストップに伴いバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入されると、各車、 続々とピットイン。RB勢とセルジオ・ペレス(レッドブル)は他とは異なり、ウエットタイヤをチョイスした。周冠宇もこれに続いた。

コラピントのクラッシュによる赤旗下で他車と同じように新品のインターミディエイトに履き替えた角田裕毅は、34周目にローリングスタートでレースが再開されると、ルクレールとピアストリに交わされ、8位でチェッカーを受けたが、ピアストリの降格により7位に昇格した。

ピアストリは、26周目に6番手を走行していたローソンの左リアに接触したことで10秒ペナルティを受けた。ローソンはルイス・ハミルトン(メルセデス)の猛攻を退け10位でフィニッシュ。RBのダブル入賞に貢献した。

ペレスはレース開始早々、単独スピンを喫して最下位18番手に後退し、ハミルトンに続く11位でクルマを降りた。

雨に翻弄された新人ドライバーはコラピントだけではなかった。オリバー・ベアマン(ハース)はサインツを追いかける最中、スピンを喫して軽くバリアに接触。さらに、コラピントのリアに突っ込んだとして10秒ペナルティを受け、12位でレースを終えた。

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は予選でのクラッシュに伴うクルマの損傷が酷く、修復が間に合わなかったため、レースに出走できなかった。

2024年F1第21戦サンパウロGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 69 2:06:54.430 26
2 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 69 +19.477s 18
3 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 69 +22.532s 15
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 69 +23.265s 12
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 69 +30.177s 10
6 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 69 +31.372s 8
7 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 69 +42.056s 6
8 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 69 +44.943s 4
9 30 リアム・ローソン RB ホンダRBPT 69 +50.452s 2
10 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 69 +50.753s 1
11 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 69 +51.531s 0
12 50 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 69 +57.085s 0
13 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 69 +63.588s 0
14 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 69 +78.049s 0
15 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 69 +79.649s 0
NC 55 カルロス・サインツ フェラーリ 38 DNF 0
NC 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 30 DNF 0
NC 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 0 DNS 0
NC 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 0 DNS 0
DQ 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ DSQ 0

コンディション

天気
気温23℃
路面温度29℃
周回数69

セッション概要

グランプリ名 F1サンパウロGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 インテルラゴス・サーキット
設立 1936年
全長 4309m
コーナー数 15
周回方向 反時計回り

F1サンパウロGP特集

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