ホンダF1:鈴鹿を直前に控え まさかのダブルリタイヤ「メンバー全員の努力が報われず悔しい」
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30日(日)に行われたF1第16戦ロシアGP決勝レースを終えて、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、不可解な2台同時リタイヤとなったソチ・オートドロームでのレース内容を振り返った。
トロロッソ・ホンダ勢は今週末、改良型エンジン”スペック3″を投入。大きな性能向上を果たした事が確認されたものの、キャリブレーションや車体への設置など幾つかの点で課題が露呈。2日目を前に旧型のスペック2にロールバックした。
レッドブル・トロロッソ・ホンダの2台のSTR13は、ICE(内燃エンジン)を始めとする各種PUコンポーネントの交換に伴うグリッド降格を受け、ピエール・ガスリーは17番グリッド、ブレンドン・ハートレーは20番グリッドからレースに挑んだ。スタートを失敗したガスリーは一気に最後尾に後退。その一方でハートレーは、オープニングラップでポジションアップを果たし、巻き返しに向けて好スタートを切った。
だが悪夢は直ぐに二人の行く手を阻んだ。まずはガスリーがターン4で不可解なスピン。ピットストップを行いコースに復帰したハートレーは3周目、ガスリーと同じような形でターン2で派手にマシンを滑らせた。異変を感じた2台は即座にピットインするも、共に再びコースインする事はなく、二人は早々にヘルメットを脱ぐ事を強いられた。
「週末を通してチームメンバー全員が懸命に作業してきただけに、スタート直後に技術的トラブルによって2台共がレースを終えなければならず非常に残念です」と田辺TD。本来であれば、翌週に迫った母国日本グランプリに向けて、ポジティブな流れを作りたいところであった。
「来週の金曜には日本グランプリが迫っていますので、気持ちを切り替えて準備を進めていくつもりです。母国日本のファン方々の前で良いレースができればと思っています」
チームは、現時点ではトラブルの原因は不明であり、救命に向けて詳細な調査を行うと発表。状況から察するにブレーキ関連に技術的な問題を抱えていたものと見られている。ハイブリッドシステムを搭載する現在のF1マシンはBBW=ブレーキ・バイ・ワイヤと呼ばれる電子制御によってブレーキを作動させており、複雑な機構を備えている。
53周で争われた決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのルイス・ハミルトンがチームオーダーの助けを駆りて通算70勝目を上げ優勝。2位はハミルトンに順位を譲ったバルテリ・ボッタス。3位表彰台にはフェラーリのセバスチャン・ベッテルという結果となった。
待望の2018第17戦F1日本GPは三重県鈴鹿サーキットにて、10月5日金曜午前10時からのフリー走行1で幕を開ける。