ダニエル・リカルド「最高の形で締め括りたい」マクラーレン本拠MTCに笑顔で別れ

マクラーレン・テクノロジー・センターの同僚たちに別れを告げるダニエル・リカルド、2022年11月 (3)copyright McLaren

ダニエル・リカルドがF1アブダビGPを前にチームの本拠、マクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)で働く同僚たちに別れを告げた。記念の集合写真の傍らには、チームとしての9年ぶりの勝利を捧げた2021年イタリアGPの優勝トロフィーが置かれた。

契約承認委員会沙汰にまで発展した騒動を経て、マクラーレンは2023年末まで有効だったリカルドの契約を早期解除し、その後輩筋にあたるオスカー・ピアストリと契約を結んだ。

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マクラーレン・テクノロジー・センターの同僚たちに別れを告げるダニエル・リカルド、2022年11月 (1)

33歳のオーストラリア人ドライバーはF1引退レースとなる可能性を覚悟の上で、ヤス・マリーナ・サーキットで行われる2022年シーズンの最終戦に臨む事になる。

マクラーレンでのラストランに向けてリカルドは「さあ、パパイヤでの最後の一戦だ。今シーズン最後の数日間で全力を出し尽くすのが楽しみだ」と語った。

「現行マシンならオーバーテイクの可能性があるし、楽しいバトルが期待できそうだし、MCL36との最後のダンスで今シーズンを最高の形で締め括りたいと思ってる」

ハースだけは来季ドライバーラインアップを確定させていないが、ニコ・ヒュルケンベルグの起用が確実視されており、リカルドは2023年にシートを失う見通しであるもののF1から完全に離れる事はなさそうだ。

2024年のF1復帰を最優先事項とするリカルドは、リザーブドライバー兼アンバサダーとして古巣レッドブルと契約を結ぶ可能性が高まっている。

ただ、サバティカル休暇が物事を好転させるかどうかは不透明だ。

マクラーレンのシート喪失後、リカルドは自らの意思でハースに接触しなかった。ウィリアムズ、アルファタウリのシート候補にも名前が挙がらなかった。下位チームでキャリアを継続する意思は感じられず、まだリカルドほどのドライバーを起用できるだけの大金を用意できるチームも限られる。

かつて所属したマクラーレン、アルピーヌ(旧ルノー)での復帰は期待できず、事実上の選択肢はフェラーリ、アストンマーチン、メルセデス、レッドブル、アルファロメオに絞られるが、アルファロメオを除き、いずれも”何か”が起きなければ2024年のシートに空きが出る見通しは殆どない。

セバスチャン・ベッテルを打ち負かし、マックス・フェルスタッペンを下し続けた事でF1界のトップドライバーとしての立場を確立させたリカルドは、ルノーを経て移籍したマクラーレンでの2年間でその評判に大きな傷を負った。

2021年型のMCL35Mにしろ今季のMCL36にしろ、リカルドが愛したレッドブルのマシンとは異なりマクラーレンはフロントエンドが弱く、またドライバーに要求されるスタイルが独特で、ランド・ノリスでさえ対応に苦慮し続けている。特に低速コーナーでの苦戦が顕著で、最後までドライビングを合わせ込む事ができなかった。

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マクラーレン・テクノロジー・センターの同僚たちに別れを告げるダニエル・リカルド、2022年11月 (2)

F1アブダビGP特集

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