ルノー・スポール、カルロス・ゴーン容疑者逮捕によるF1撤退の可能性を否定
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ルノーF1のマネージング・ディレクターを務めるシリル・アビテブールは、ルノーの会長兼最高経営責任者を務めるカルロス・ゴーン容疑者の逮捕が、撤退や予算縮小といったF1での活動に影響を与えることはないとの認識を示した。
日産V字回復の立役者とされるカルロス・ゴーンは、役員報酬約50億円を有価証券報告書に記載しなかったとして今週月曜に逮捕された。東京地検特捜部は悪質な隠蔽工作とみている。ゴーンは「ルノー・日産・三菱アライアンス」の社長職とCEOを兼任していた。
「カルロス・ゴーンが、ルノーのF1復帰決定において重要な役割を果たした事は間違いないが、決定は彼が単独で行ったわけではない」とシリル・アビテブール。F1アブダビGPの金曜プレスカンファレンスでの質疑に答え、影響がないことを強調した。
「取締役会レベルの場で議論された結果、会社の方針として復帰の決断が下されたのだ。我々は40年以上にわたってF1でレース活動を続けており、今も長期的な計画の最中にある。チーム構築に6年、トップ争いに食い込むために6年。現時点で我々はそれを目指している」
「いかなるインパクトもありはしない。そういう情報は受け取っていない」
カルロス・ゴーンはルノーのCEOを兼務しているが、当面は最高執行責任者(COO)を務めるティエリー・ボロレがその職を代行する事が決定している。トップに立つ人物が変わった事による影響はないのだろうか?アビテブールは次のように付け加えた。
「ティエリー・ボロレはF1を知らぬ人物ではない。彼の指揮によって活動が継続されるのは明らかだ。彼は2016年以降チームの取締役会長を務めている」
ルノーは今回の事件が極めて重大だとしながらも、筆頭株主のフランス政府はカルロス・ゴーンのルノー会長職の留任を決め、体制を継続させる意向を示している。