レッドブルRB21「期待を下回る進化」テストを経て技術責任者ワシェが厳しい評価

ピットレーンを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング/RB21)、2025年2月28日(金) F1プレシーズンテスト3日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルのテクニカル・ディレクターを務めるピエール・ワシェは、2025年シーズンのF1プレシーズンテストを終え、新車「RB21」の進化が期待ほどではなかったことを認めた。

期待を下回る進化

チームは昨シーズン終盤に直面したバランスの問題を解決すべく、RB21の開発を進めてきた。しかし、ワシェはテスト結果が期待したほどの進化を示していないと語った。

「クルマが時折、思ったように反応しなかったため、完全に満足しているとは言えない。しかし、正しい方向には進んでいる。ただ、その進歩の度合いが予想よりも小さかったのが課題だ。開幕戦、そしてシーズンを通じてさらに改良を加える必要がある」とワシェは述べた。

「天候にも恵まれず、サーキットの特性を十分に活かせなかった。しかし、それでもマシンの潜在能力を探り、異なるセットアップに対する反応を確かめることはできた」

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ピエール・ワシェ(レッドブル・レーシング テクニカルディレクター)、2024年11月1日(金) F1サンパウロGPフリー走行&スプリント予選(インテルラゴス・サーキット)

テクニカルトラブルで走行ロス

今回のテストでは複数回の赤旗中断が発生。さらに、レッドブルはパワーユニットの水圧低下など技術的なトラブルにも直面し、走行が制限される場面もあった。

ワシェは「期待したほどスムーズなテストではなかった。しかし、こうした問題をシーズン中ではなく今ここで見つけられたことは良いことだ。テストの目的はマシンを理解することだからね」と語った。

レッドブルは3日間のテストで304周(1,645km)を走り込んだ。これは全10チーム中で最も少ない。最多周回を記録したメルセデスは458周(2,478km)を走破しており、その差は歴然だった。

RB21は見た目こそ昨年のRB20と大きな違いはないものの、冷却コンポーネントの再設計など内部構造が大幅に変更されている。そのため、ある程度のトラブルは想定内だったとも言える。

トップ4の一角として開幕戦へ

レッドブルは昨シーズン終盤4戦で2勝を挙げた。ワシェは「現時点で開幕戦の勢力図を明確にするのは難しい」としながらも、今季もマクラーレン、フェラーリ、メルセデスとトップ争いを繰り広げると考えている。

「我々は他チームの動向を気にしすぎず、自分たちのプログラムに集中していた。ただ、4チームが速さを示しているのは確かで、我々もその中にいる」とワシェは語った。

フェルスタッペン「まだやるべきことがある」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージ内で様子をうかがうマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年2月28日(金) F1プレシーズンテスト3日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)

テスト最終日を、ジョージ・ラッセル(メルセデス)から0.021秒遅れの2番手で締めくくったマックス・フェルスタッペンも、一定の手応えを感じつつさらなる改善が必要であることを認めた。

「今日の走行はそこそこ良かった。小さな問題はいくつかあったけど、やりたかったことの多くをこなすことができた。悪くはなかったけど、まだやるべきことは残っている。ただ、これは予想していたことで、引き続きデータを分析しながら改善を図るつもりだ」とフェルスタッペンはコメントした。

また、ライバル勢のペースについては「他のチームのペースを正確に判断するのは難しい。開幕戦に向けてさらなる準備を進めていきたい」と慎重な姿勢を見せた。

プレシーズンテストを通じて、レッドブルは予想外の課題に直面したものの、トップ争いに加わる実力は十分に持っていることを示した。開幕戦でのパフォーマンスに注目が集まる。

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