フェラーリは敵に非ず、とレッドブル・ホンダ…2020年はメルセデスとの一騎打ちを予想
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レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2020年シーズンのF1ワールドチャンピオン争いは、レッドブル・ホンダ対メルセデスの一騎打ちになると予想。フェラーリが頂上決戦に絡む可能性を除外した。
ヘルムート・マルコは独AUTO BILDとのインタビューの中で、ホンダ側の開発と改善レベルを称賛した上で、2020年に王座を奪還するためにはエンジンではなく車体側の努力が重要だと強調。レッドブル側が結果を出す事が必要だとの認識を示した。
「ホンダは昨年、約束を果たしただけでなく、それを遥かに上回る性能をもたらしてくれた」とヘルムート・マルコ。「ホンダは既にメルセデスとほぼ同等レベルに達しており、予選でのギャップも僅かに過ぎない」
「私はホンダがこの差を埋めてくれると確信している。開幕からタイトル争いを繰り広げられるかどうかは我々次第だ。今年は未だかつてない早い時期に新車を完成させられる予定であり、今のところ良い感じで推移している」
レッドブルとホンダが想定するタイトル争いの本命ライバルは誰なのか? こう問われたヘルムート・マルコは「相手はメルセデス、ルイス・ハミルトンだ」と返し、フェラーリのセバスチャン・ベッテル及びシャルル・ルクレールとバルテリ・ボッタスを除外した。
ヘルムート・マルコは「ルイス・ハミルトンは殆どパーフェクトなレースをしており、総合力という点においては現時点でF1でのベストドライバーだと認めざるを得ない」と語り、6度のタイトルホルダーを絶賛。その一方で「だが、マックス・フェルスタッペンがこれに続いている」とも述べた。
ヘルムート・マルコがフェラーリのタイトル争いを除外する理由はパワーユニットだ。マラネッロが2019年シーズンに投入した「Ferrari 064」は、シーズン中盤まで圧倒的なパフォーマンスでライバルを凌駕していたものの、不正防止のために技術指令書が発行された後は影を潜めている。
ヘルムート・マルコは「我々は昨シーズンのラスト3分の1でフェラーリに先行していた。彼らは以前とは異なり、特にエンジン部門での優位性が消滅していたように思う」と語り、フェラーリ製パワーユニットの合法性に改めて疑問を呈した上で、これが2020年も足かせになるとの考えを示した。フェラーリの2020年型エンジンには、画期的なインタークーラーが導入されると噂されている。
フェラーリが三つ巴の争いから脱落すると予想しているのはヘルムート・マルコだけではかもしれない。メルセデスAMGのエンジン部門を率いるアンディ・コーウェルは、昨シーズンのパワーユニット開発競争の勝者はホンダだと言い切った上で「レッドブルはチャンピオンシップで勝てるだけのマシンを生み出す事が出来る。また、マックス・フェルスタッペンは途方もなく素晴らしい」と警戒感を口にしている。