キミ・ライコネン、”節”変わらず「F1が人生で一番重要だった事は一度もない」決断の背景と引退後の計画明かす
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アルファロメオのキミ・ライコネンが引退を決断した背景と今後の計画について明かした。グリッド屈指の人気を誇る42歳のフィンランド人ドライバーは今季の最終アブダビGPを以てキャリアに終止符を打つ。
ライコネンは史上最多出走記録を持つ71年のF1の歴史の中で最も経験豊富なドライバーとしてF1を去る事になる。無口で無骨なカリスマのその個性的なイメージは、最後まで変わる事はない。
ザントフォールトでのF1第13戦オランダGPを前にライコネンは、引退を決断する事は難しいかったか?と問われると「そんなに。昨日決めた事じゃないし(笑。それに既に一度引退を経験してるしね」と答え、アイスマン節を披露した。
「F1は僕らの人生の大部分を占めるけど、幸いにも僕の人生の中でF1が最も重要な位置を占めた事は一度もない」
また、最も幸せだったひと時は?と質問されると「家族と一緒に家にいる時」と返し、F1キャリアの中で言えば?との追加質問を受けると「ここでメディアの相手をしているより、コース上にいる時の方がハッピーなのは間違いないね」と答えた。
「僕は何時だってありのままを口にしてきた」
「僕がここにいる理由は走る事にある。ここには他にも色々な物事があるけど、僕にとってそれらがF1にいる理由になった事は一度もない」
「良い走りができたし自分が成し遂げた事に満足してる。ここで勝つのは容易じゃないし、僕はチャンピオンになりたかった」
「1度か2度、あと一歩というところまで喰らいついた後、その目標を達成する事ができた。満足だよ。特にフェラーリと共にそれを成し遂げる事ができて」
「楽しかったし、自分のやり方でできた。(何かを変える事ができたとしても)何一つ変えるものはない。不満はない」
ライコネンは一貫してF1に身を投じたわけではなかった。2010年と2011年の2年間はF1を離れ、世界ラリー選手権(WRC)年やNASCARに参戦していた。引退後は何をするのだろうか?「ノープランだ」とライコネンは語った。
ライコネンはF1デビューを果たしてからの20年間に渡り、スケジュールに追われる日々を過ごしてきた。
「そういう生活を望んじゃいないんだ。これが、僕が何か別の事をしたいと思った強い動機の一つだ。人生はF1に関わる仕事やレースや他の何かのために存在しているわけじゃない」
再び何某かのステアリングを握る可能性は除外していないものの、ひとまずは妻ミントゥと2人の子供を含む家族と過ごす時間を増やすつもりだという。
「それに今は家族や子供たちの学校とか幼稚園とか、他のスケジュールもあるからね」
「家族との生活が、レースやテスト、次の仕事へのフライトに左右されるのも嫌なんだ。だから、急いで考えるつもりはないし、まだ何も考えちゃいない」