ライコネンとジョビナッツィ、2021年末で一斉放出のシナリオも…ラインナップ一新を除外しないアルファロメオ

2022年型F1マシンの実物モデルを前に話をするアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィとキミ・ライコネン、2021年7月15日F1イギリスGPにてCourtesy Of Alfa Romeo Racing

事実上の単年契約によって来季もアルファロメオを冠スポンサーとするザウバー・モータースポーツは、アントニオ・ジョビナッツィが2022年のシート最有力候補と認めつつも、キミ・ライコネンを含めて今季末で両者を一斉放出する可能性を除外していない。

両者は2019年にスイス・ヒンウィル本拠のチームがアルファロメオへとリブランドされて以来、3シーズンに渡ってコンビを組んでいる。2007年のF1王者は2021年のオプションを含む2年契約でフェラーリから移籍。フェラーリジュニアのジョビナッツィは、アルファロメオのバックアップでレギュラーシートを手に入れた。

41歳のフィンランド人ドライバーには今季限りでの引退の可能性があるが、フル参戦3年目を迎えたジョビナッツィは今年、決勝でチームメイトに3勝6敗と、変わらずやや遅れを取っているものの、予選平均ではライコネンを上回る活躍を見せており、次世代シャシーが導入される2022年の残留が囁かれている。

だがアルファロメオのフレデリック・バスール代表は、ブランディングと経験の両面でチームに多大な利益をもたらすライコネンと成長続けるジョビナッツィの両方を一斉放出し、ドライバーラインアップを一新する選択肢を除外していない。

フレデリック・バスールは現職ドライバーを残留させる事は前年との比較という点で有益だとしながらも、必ずしも「必要な事ではない」として「同じラインアップを維持することもできるし、変更することもできるが全てはオープンだ」と説明した。

「すべてがオープンであることは、チームにとってもアントニオにとってもキミにとっても良いことだ」

「私はプレッシャーが掛かる状況を悪い事だとは考えていない。より良いパフォーマンスを発揮するためにはプレッシャーが必要だと思うし、楽な世界であって欲しくはない」

フレデリック・バスールはライコネンに2022年のオプション契約がない事を認めた上で、ジョビナッツィに関しては「間違いなくリストに載っている。家族の一員であり、向上心もあり成長している。来季のリストの最上位に入るだろう」と述べ、更に上の結果を目指すよう発破をかけた。

「もっと上達して、レースで結果を出してほしい。誰もがプレッシャーを感じている。私もエンジニアもそうだ。そしてドライバーもプレッシャーを感じている事だろう。ここはプレッシャーの世界だ」

来季のシート候補としてはフェラーリの息が掛かった3名の若手が考えられる。

ハースで今年デビューしたミック・シューマッハ、アルファロメオのリザーブドライバーを務めるカラム・イロット、そしてFIA-F2選手権で上位を争うロバート・シュワルツマンだ。

なおフレデリック・バスールは最終決定のタイミングは急がないとして、トップチームのラインナップが確定した後に決断を下す意向を示した。

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